2022年5月22日日曜日

落穴(2)

前のエントリに続けて、"油断もスキもありゃしない"を実感した事例をもう一つ記しておきます。


いわゆるソフトドリンクを購入する際、殆どの場合お茶か炭酸水にするのですが、飽きます。で、極稀にですがコーラのような甘い炭酸飲料を選ぶこともあります。

この時、裏面の原材料表示を見て、”砂糖”、”果糖”、”液糖”との表示がある飲料を避けるようにしています。加齢のせいか濃い甘さが苦手になってきているような...味噌や醤油は問題ないのですが。

以前、「SPICE FACTORY ザ・クラフトコーラ」(ポッカサッポロ)という清涼飲料を試してみました。毎日、着信してゴミ箱行きを繰り返す数多の広告メールの中で、偶々、クラフトコーラの語を見て、その目新しさから原材料を確認して購入に至った次第です。原材料は

レモンピールエキス/炭酸、酸味料、カラメル色素、香辛料抽出物、甘味料(アセスルファムK、スクラロース)、保存料(安息香酸Na)、カフェイン、香料

との表示で上記糖類は不使用、 カロリーは1kcal/100mlでした。風味もスパイス感があって不味くはなく、お茶や炭酸水の合間に口にしていました。ケースで購入していますから、これが口にできないとなると途方に暮れるわけですが、まぁ、そんなこともなく消費していきました。

全て飲みきって、不味くもなく、糖類不使用だし、ということで再度通販サイトからSPICEFACTORY ザ・クラフトコーラ(ポッカサッポロ)を購入しました。勿論ケース買いです。商品が到着し飲んでみて、僅かに以前とは違う気もしましたが、自分の味覚のブレ何だろうと思いました。ところが、二、三本飲んで、何気なく裏面の原材料表示に目を遣ると”砂糖”の表示があったわけです。???

不思議に思って、購入サイトの原材料表示を見てみると、原材料は


砂糖(国内製造)、レモンピールエキス/炭酸、酸味料、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC)、香辛料抽出物、甘味料(アセスルファムK、スクラロース)、香料、カフェイン

となっていて、明らかに原材料が変わっています。それも重量比で最大の材料として砂糖が記されていました。カロリーも5kcal/100mlと5倍になっています。前回と同じ製品を購入したつもりだったのですが、別の製品になっていたようです。

製造元のポッカサッポロのサイトを見てみますと、期間限定の「SPICE FACTORY ザ・クラフトコーラ」と、「SPICEFACTORY ザ・クラフトコーラ」がありました。"SPICE" と"FACTORY"間のスペースの有無で別の商品になるのでしょうか。商品画像を示します。


左が最初の購入した、糖類のない「SPICE FACTORY ザ・クラフトコーラ」で、右が次に購入した砂糖入り「SPICEFACTORY ザ・クラフトコーラ」です。並べて比較すれば確かにボトルのデザインに違いがあることは判ります。ただ、最初の購入分を消費し次を購入しようとPC上の右画像を見て、記憶を頼りに左画像の商品とは異なる、と判断する能力は私にはありません。

今回の落穴に嵌らないためには、二度目の購入の際、「SPICE FACTORY ザ・クラフトコーラ」と「SPICEFACTORY ザ・クラフトコーラ」でスペースの有無、或いは、最初のボトルデザインを正確に記憶に留め次に購入する商品との違いに気づいて、両者が別の製品であることを認識する必要がありました。その上で、ようやく次の商品の原材料を確認してみようという話になるわけです。同一の製品との認識の下では一々原材料の確認などしませんから。

飲料製品の砂糖使用/不使用とか、製品の中で最も重量比の高い原材料の変更はかなり大きな変更と捉えていて、風味が同じであったとしても明らかに同じ製品ではないと考えます。勿論、改良や仕様変更の必要性は否定しませんが、ここまで大きな変更であれば、同一製品として、或いは、別の製品として取り扱うのいずれにしても違いを判りやすく明示すべきです。

メーカの意図が、同一製品として購入者の誤認を誘導したいのか、或いは、他の意図があったのか存じませんが、不誠実な印象は否めない、というのが率直な処です。どういった理由で砂糖を使用した後継製品になったのかは存じません。ただ、昨今の微糖、無糖が好まれ、低カロリー志向の風潮の中で砂糖を入れてカロリーアップした理由は開示されることが好ましく、少なくとも変更があったことは明確に表示されなければならないと考えます。実際、後継製品の購入後、原材料表示の先頭に”砂糖”の語を見た時、欺かれた感を抱いたのは確かです。

例えば、アレルギーや糖尿病など、生命、身体に危険が及ぶといったで医師から糖類の摂取を厳しく制限されている立場からすれば、提訴もやぶさかではない事案です。

前エントリにも記しましたが、”お試し”とか、”初回”といった語を利用した、意図的な定期購入契約への誤認抑止ですら端緒に着いた処です。メーカや販売者側の自主的な誠実さが求められます。米国通販のような過剰な返品ルールを求める声が高じていくよりメーカや販売者側の負担は小さいはずです。

ネット通販で、価格や食味はともかく、原材料や賞味期限の確認とか、過剰な広告から底上げ分を取り払うとか、メンドクセーと思う今日この頃です。買い物位テキトーにクリックしても想定外が生じないようにならないものでしょうか。

ネット通販に限らず、こういった嵌った、虚を突かれた経験はまだまだあります。いずれ機会があれば記していきます。

0 件のコメント:

コメントを投稿