2023年10月13日金曜日

便乗

ここ二、三日の話題と言えば、藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖)の全八大タイトル制覇でしょうか。史上初の快挙、明るいニュースであり、更に言えばメディア自身への延焼の恐れが小さいことから、ジャニーズ性加害事件を抑えて大きく報じられていました。

将棋について特段の思い入れはありませんが、タイトル制覇について称賛し、素直に敬意を表したい処です。ただ、目に留まるニュースは、多くが対局以外の内容です。何食べた、時間はどうだった、師匠を含む関係者のコメント、地元の歓喜、過去の戦績、偉業の称賛...野球、ラグビー、サッカーといったスポーツならばそれこそ試合そのものの解説が主です。

殆どが素人の視聴者にも解り易い解説というのは無理難題かもしれませんが、それがメディアの責務ではないかと。ノーベル賞受賞を伝えるニュースも同様ですが、報道する側の力量不足が最も印象に残ります。

さて、該快挙で藤井聡太竜王・名人の国民栄誉賞受賞が決定したわけです。年齢的にまだ尚早という声は勿論上がるでしょうが、今後、政権に対する支持率低下や選挙前になればそういった気運がどこからともなく湧いてくるはずです。

政治に無関係な個人や団体による快挙の政治利用は古今東西ありましたが、ここの処かなり判りやすいというか露骨になった感を禁じ得ません。