2022年2月26日土曜日

収拾

収拾、つまり停戦に至る道筋が全く五里霧中です。振り上げた拳の行き場を探す話ではなく、既に落としてしまったわけですから。

今更NATOの不拡大で話がつくのでしょうか。この一方的な暴力に対し、経済力で抗うことで合意条件を導くことができるのか、危うさを禁じ得ません。

オリンピック直後、パラリンピック直前の軍事侵攻です。平和の祭典の語が空虚に響きます。カーボンニュートラルも地球温暖化も何処へか吹き飛んでいます。

ロシア軍のウクライナ駐屯と親ロ地域の一方的な独立宣言かロシアへの併合で膠着状態が続いていくのでしょう。その上で極東に波紋が拡がる懸念も否定できません。

民主主義陣営の結束とか国際社会の連帯、対話、外交で暴力を制することの可否が問われています。幻想でないことを強く願っています。


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状況が明らかになるにつれ、いわゆる親ロとか、対ロシア外交で風呂敷を広げていた政治家が、報道番組に出演し始めました。自身の過去の発言を忘れたかのようにしたり顔で批判、論評する姿は気分を害します。

省察

先日の話です。交通反則告知書、いわゆる青キップを頂戴致しました。右折禁止の交差点で右折したことによる通行禁止違反でした。


違反は違反ですから減点を甘受し反則金も既に納付しました。その事実について、抗うつもりは毛頭ありませんし、怒りや不平不満といった感情も去来しませんでした。あえて言えば、残念な思いが過った位でしょうか。

本エントリは、該違反、これは自らの不注意が引き起こした過失ですが、その原因、何故そういった判断をし行動を取ったかを省察するものです。

憂さを晴らすとか自己正当化の意図は断じてありません。弁明するつもりもなく、今後類似の状況に遭遇した際に不如意の結果を招かないため、以外の目的はありません。

未来の、過失による違反や事故を回避する糧として、当時の判断、行動を客観視して考察してみようということです。

ここで少し本旨から外れます。

上記には日頃運転している乗用車に搭載のドライブレコーダに記録された動画を利用するつもりでした。ところが、該当する動画部分のファイルが破損、VLCメディアプレーヤーで再生すること能わず...一旦、断念しました。再生可能なファイルがほとんどでしたが、不可能なファイルもいくつかありました。メモリカードへの記録エラーでしょうか。

それでもなかなか諦めきれず、調べてみた処
動画と音声を記録・変換・再生するffmpegと、
修復ソフトuntrunc
で修復できることを知りました。
試してみた結果、直進→右折が記録されたファイルの再生が可能になりました。便利な世の中になりました。ありがたいことです。該知見を公開してくださった方に感謝しつつ、次は動画ファイルの編集です。試してみた結果、直進→右折が記録されたファイルの再生が可能になりました。便利な世の中になりました。ありがたいことです。該知見を公開してくださった方に感謝しつつ、次は動画ファイルの編集です。

該ファイルは再生時間5分で、ここから必要部分のみ取り出します。かつてavicutとか、avidemuxといった動画編集ソフトを弄ったことがありますが、かなり以前の話です。すっかり忘れていますし、Debianのバージョンを上げている中になくなっていました。そこで、Kdenliveという動画編集ソフトを利用して不要部分のカットを行いました。

編集した動画が下記です。


再生してみると、右折禁止の交差点で右折進入していることが確認できます。その後ルームミラーに映ったパトカーから停止を促す声が聞こえ、青キップを頂戴する羽目になった次第です。パトカーは該交差点を左折した位置で取締りのために待機していたと思われ
ます。

この動画を元に当時の判断、行動を振り返ってみて、この先、同様な状況に置かれた際に同じ轍を踏まないような判断が可能かを考察してみます。

最初に、この交差点右折に当たってのいくつかの前提?予備情報?を示します。予断という表現になるのかもしれません。

本件において目的地はPhoto.1に示した矢印の方向にありましたから、通りからの右折を考えていました。
Photo.1

この通りは幾度となく往来していて、通りから右左折すると住宅地に入ります。この右左折する道路は道幅が広くはなく、一方通行の出口と入り口、つまり進入禁止と一方通行の始まりが交互に続いていく、そんな認識でした。

上記動画には映っていませんが、この交差点を右折せず直進した際、次の右折路が進入禁止であることは既に確認済です(Photo.2)。
Photo.2

又、以前、今回と逆方向に進んだ際、該交差点の一方通行出口を示す標識(Photo.3)と、今回右折してキップを頂戴した交差点の一方通行入り口を示す標識(Photo.4)は明確に記憶にあります。
Photo.3

Photo.4
(Photo.2〜4はGoogleマップから引用しました)

つまり、自分の中では、動画にある信号を超えた最初の交差点は一方通行入り口で進入可能、次の交差点は一方通行出口で進入禁止という認識が完全に形成されていたわけです。左折でのみ進入可とは全く思いもよらなかった、というのが正直な処です。

確かに、改めて通行時の動画を見てみると、件の交差点近くには右折不可を示す標識が二ヶ所設けられているのが確認できます。で、何故この標識に気付くことができなかったのかについて記憶を辿りながら振り返ってみます。

12秒間の該動画において、信号のある交差点通過(0:02)から右折開始(0:08)まで6秒といった処でしょうか。道路上方の右折不可の標識は0:06辺りで視認することになります。0:05でも認識できなくはありませんが、再生を繰り返したり、時間を遡るように再生して分かる程度とみています。初見の再生で0:06の右折不可の標識を果して認識できるのか、すら難しいような...その後0:06〜0:07にかけて道路左端に右折不可の標識を見つけることができますが、0:07〜0:08にかけて既に右折すべく進行方向を変え始めています。

この6秒間の運転中、自分が視線を何処に向け、何に注意を払っていたかを記し、そこに更に右折不可の標識を視認することが可能だったか、を考えます。0:06〜0:07辺りで右折不可を認識できていれば、その後、進行方向が変わっていても、一旦停止、向きを転換して直進という操作で事なきを得たかもしれません。

下記はその経緯で、注意の対象を黄色で囲んだ写真を添付します。

 経過時間(秒)       注意の対象、意識の内容     
    0:02         青信号を視認して交差点を通過(Photo.5)
 0:04〜0:05      右折進入路の探索(Photo.6)
    0:06         対向車の有無確認(Photo.7)
 0:07〜0:08      右折路を横断する歩行者、自転車の有無
確認(Photo.8)

Photo.5

Photo.6

Photo.7


Photo.8

この一連の動きの中で、Photo.7,8に見られる道路左側と道路中央上方に設けられた右折不可の標識に注意を向けることは、甚だ困難と考えます。両者はカメラの視界の中にあったとしても、運転者の視線や注意を向ける方向には位置していません。Photo.7,8では、道路右側に視線を向け、対向車と横断する歩行者、自転車の有無に注意を払っています。右折直前に道路左側に視線を向けることは困難です。

上方にある標識の視認も果して可能かどうか疑問です。動画を再生してみると該標識が、標識として視認できる時間は0:05〜0:07の2秒間程度です。確かに標識の画像は左右方向ではほぼ中央に位置しています。しかしながら、上下方向で視認できる状態となると0:05辺り、画面上端から1/4辺りの画像からでしょうか。そこから2秒の間に標識の画像は上方に流れて消えてしまいます。

つまり、Photo.6〜8に示した視線や注意を向ける方向から外れ、しかも視界の上方2秒間、右折不可の標識が流れていくという状況です。上述の方向に注意を向けるのと同時に該標識を視認しろと?かなりのハードミッションです。通常、対向者や歩行者は空から降ってきませんから、優先して注意を向けるのは前方や進行方向の地上です。

そう考えれば、この交差点を左折した辺りでパトカーが待機している理由も理解できます。注意不足で右折して通行禁止違反を犯す運転者が多いという証左です。年間で何件、或いは一日の取り締まりで何枚のキップが切られるのかは存じません。ただ、まぁ、そういう場所なんだろう、という印象です。

ということは、取り締まる側も違反が発生しやすい交差点であることは十分承知しての公務なんでしょう。ただ、そうであれば取締まるより、違反を未然に防ぐ活動の方が交通警察の職務として真っ当な気もしますが。真っ当な気もしますが。

右折を意識してこの通りを走行した時、Photo.2に示した進入禁止の標識は比較的容易に気づきます(昨日進入してきた車とすれ違いましたが。)。標識は視線と注意の向く先に設置することで効果が最大化されるのは至極当然です。本件の交差点もこの位置、Photo.8で黄色で囲んだ辺りに注意を促す標識を設置すれば違反は激減すると考えます。