2017年12月29日金曜日

公平

12月に入り、NHK受信料を巡る訴訟において裁判所から二つの判決が下されました。
NHK受信料「合憲」=テレビ設置時から義務-「知る権利を充足」最高裁が初判断
NHK受信料ワンセグ携帯も義務 支払いで、東京地裁
前者は放送法で規定された受信料制度の合憲性を争う訴訟で、”受信料制度は合憲であり、支払い義務はテレビ設置時から生ずる”、という判断を示すものです。後者は、ワンセグ機能付き携帯電話の所有が、NHKとの受信契約を結ぶ義務を生じせしめるかを争う訴訟で、”受信契約を締結する義務がある”との判断を示すものです。

NHKに関しては思う処が少なからずあり、上記判断と絡めて記してみます。


(1)大法廷判決 受信契約締結承諾等請求事件について

裁判長はこの程定年を迎える、寺田逸郎最高裁長官でした。退任に際し記者会見を行わない意向とのこと。個別の裁判についての質疑を受ける機会を極力排除したい、という意図なんでしょうか。本件も含め...

さて、上記判決書、及び、毎日新聞の判決要旨では、放送法64条で規定された、”受信設備を設置した者はNHKと受信契約を締結しなければならない”という契約の強制性についての合憲/違憲の判断が示されています。
前記の同法の目的を達成するのに必要かつ合理的な範囲内のものと して,憲法上許容されるというべきである。
立法裁量の範囲内で合憲とのことです。ここで、前記の同法の目的とは、”公共の福祉のための放送を行う”ことです。この目的を達成するにあたって従うべき原則が定められています。
1.放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。
2.放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。
3. 放送に携わる者の職責を明らかにすることによつて、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。
不偏不党、真実及び自律の保障、健全な民主主義の発達ですか...

上記判決が公開された時、素直に首肯できない違和感を覚えたのですが、それがこの放送法の目的辺りに由来したものであろうことは間違いありません。恰も、この目的に対し現在のNHKの放送内容が適切であることを前提として下された判断、という印象です。主観に基づく見方であるのは否めませんが。

理屈としては、受信料制度の合憲性を争う訴訟において、NHKの放送が果たして公共の福祉に寄与しているか否かは別の問題、論点が違うと付されるのかもしれません。

判決文中では、”表現の自由の保障の下で、国民の知る権利を実質的に充足し、健全な民主主義の発達に寄与する”ものとして、放送の意義が規定されています。しかしながら、その意義を反映した放送の目的を適えるべく、実際の放送が行われているか否かの判断はされていません。

つまり、”健全な民主主義の発達に寄与する放送が行われているならば、受信料制度は合憲である。”という理解です。受信料制度の合憲性を争う前に、争いの対象となる条件を満たしているのか、ということです。

本来であれば、受信料制度の合憲性を争う以前に、健全な民主主義を発達せしめるという原則の下、放送が公共の福祉に寄与しているか否かが問われて然るべきと考えます。現行の放送が放送法を遵守したものであるとの判断は、受信料制度の合憲性を争うための必要条件です。

換言すれば、受信料制度が合憲であったとしても、それは無条件に是認されるものではなく、放送法によって限定された合憲ということです。例えば、戦前の戦意高揚、プロパガンダを目的とした、明らかに放送法に抵触する放送をNHKが行った場合、受信料制度を合憲と認めることはできません。

その一方で、受信料制度が違憲であると断じる意図はありません。NHKの事業運営の財源を受信者に求める原則部分についての異論はありませんが、受信設備設置者にNHKとの受信契約、即ち受信料負担を義務付ける、という運用部分には強い反発を覚えます。受信設備設置者、即、NHKを選好した視聴者とみなすことに飛躍というか横暴さが否めませんし、何よりNHKの放送法を遵守した事業者としての適格性についての疑義があるためです。

NHKは自身が行っている各々の放送が”民主主義の発達”に対しどう寄与をしてきたのか、或いは、放送法の目的を達成するためにどういった論理で放送を制作しているのかを受信者丁寧に説明し、理解を得る義務がある、と考えます。
受信契約者の知る権利を行使する以前の、NHKが率先して為すべき義務です。

”朝ドラ”、”大河ドラマ”、”アサイチ”、”ためしてガッテン”、”家族に乾杯”が健全な民主主義の発達にどう資しているのか...”ニュースウオッチ9”ですらドラマの番宣やポピュリズムを匂わせる情報がふんだんに盛り込まれていて報道というよりニュースバラエティの色合いが濃くなってきているように感じます。

付け加えれば、”健全な民主主義の発達”というのも曖昧な印象を禁じえません。ゴールというか到達目標、及び、現在位置と問題点について説明を求めたい処です。


又該判決文では、受信設備設置者間で受信料負担の公平を図るため、”受信契約の成立によって受信設備の設置の月からの受信料債権が生ずる”とするのが合理的と記されています。

これは受信設備設置と受信契約の期間の差異、同じ受信設備設置期間であっても受信契約期間の長短で受信料負担に差が生ずる不公平を解消するためです。しかしながら、そういった各々の契約間での受信料負担の公平性に配慮する以前に、優先的に公平性を保つべき問題が蔑ろにされているとみています。

放送法では、現在、受信契約は世帯ごとに締結するよう定められています。ここで、三世代同居で各々の世代毎にテレビを保有する世帯と、単身勤労者の世帯を考えてみます。

視聴者一人が得る情報の対価という観点では、前者の各人が後者より圧倒的に割安に情報を得ているのは間違いありません。前者が各世代二人で計六人、三台のテレビを設置し、個々のテレビで異なった放送(a,b,c)を二人ずつ視聴すれば、世帯全体の受け取る情報は(2a+2b+2c)です。一方、単身勤労者の世帯は同額の受信料負担でaかb、乃至はcに留まります。

更に言えば、一般的な単身勤労者が一日24時間の中で、一体どれだけの時間を放送の視聴に割くことのできるのか、勿論、学生、生徒も同様です。

”NHKは視聴しないから受信料を負担したくない、負担しない”ということではなく、視聴を希望する/しないに拘らず、現実的に視聴を制限される受信者という層が確実に存在するわけです。この層に属する世帯と、時間のやり繰りが可能で希望の放送を自由に視聴できる、例えば高齢の引退者の世帯に等しく受信料負担を義務付るというのも公平性を欠いていると言わざるを得ません。

この不公平さの是正はコンテンツ毎にPPVシステムを導入することで容易に解消可能です。受信者が希望のコンテンツのみに料金を支払って視聴する”、この方式が最も簡素で公平な形態です。技術的困難もないはずです。地上デジタル放送開始に伴って導入されたB-CAS方式により放送の限定受信は実現可能です。そのためのB-CASですから。

NHKのサイト よくある質問集には、”なぜ、スクランブルを導入しないのか”という疑問に対するQ&Aがあります。以下が、スカパー!やWOWOWといったいわゆる有料放送に倣って視聴希望者のみと個別に契約をするべき、といった声に対する回答です。

  1. NHKは、広く視聴者に負担していただく受信料を財源とする公共放送として、特定の利益や視聴率に左右されず、社会生活の基本となる確かな情報や、豊かな文化を育む多様な番組を、いつでも、どこでも、誰にでも分けへだてなく提供する役割を担っています。
  2. 緊急災害時には大幅に番組編成を変更し、正確な情報を迅速に提供するほか、教育番組や福祉番組、古典芸能番組など、視聴率だけでは計ることの出来ない番組も数多く放送しています。
  3. スクランブルをかけ、受信料を支払わない方に放送番組を視聴できないようにするという方法は一見合理的に見えるが、NHKが担っている役割と矛盾するため、公共放送としては問題があると考えます。
  4. また、スクランブルを導入した場合、どうしても「よく見られる」番組に偏り、内容が画一化していく懸念があり、結果として、視聴者にとって、番組視聴の選択肢が狭まって、放送法がうたう「健全な民主主義の発達」の上でも問題があると考えます。
この回答からは、各個人が受け取る情報に対して負担を強いられる対価の不公平さは解消されません。繰り返しますが、視聴したい/したくないではなく、現実問題として、したくとも視聴できない層が被る不利益に対して全く説得力が欠けています。”いつでも、どこでも、誰にでも分けへだてなく”と大義名分を一方的に宣われても、時間的、位置的に視聴が適わない受信者が減少することはありません。

上記回答にある「健全な民主主義の発達」を謳うのであれば、こちらも先述した、”朝ドラ”、”大河ドラマ”、”アサイチ”、”ためしてガッテン”、”家族に乾杯”、更には”ブラタモリ”や、大相撲の他、NHK杯の名を冠する競馬、スケート、体操等のスポーツ、将棋や囲碁の対局中継が該民主主義の発達にどう寄与するのか、制作意図と共に丁寧で論理的な説明がなされるべきです。

勿論、短絡的にこれらの放送を否定する意図ではありません。ただ、面白い、興味深い、視聴者に求められてる、といった理由でNHKのコンテンツとして容認するのではなく、「健全な民主主義の発達」との整合性を問いたいわけです。

上に挙げた番組は視聴者に人気の番組ではあるものの、民主主義の発達への寄与を意図して制作されたものではないかもしれません。だからと言って、社会生活の基本となる確かな情報を提供したり、豊かな文化を育む番組としての適否の視点からも適切性に疑問符をつけざるを得ません。公共の福祉に対する有用性が明らかにされないままこれらの番組は放送され続けています。

”社会生活の基本となる確かな情報”、”豊かな文化を育む”では語義が曖昧過ぎです。こういった、なんとなく有用性のありそうな抽象表現ではなく、”社会生活の基本”、”確かな情報”、”豊か”、”文化”、”育む”の個別具体的な定義をした上で、目的を達成するに当たっての各々の番組の制作意図が開陳されて然るべきと考えます。これは、視聴者からNHKに知る権利が行使されてではなく、NHKに元来課せられた義務の一つとして、自発的に明示されなければならないことを付言しておきます。


追記していきます。

懸案3

前のエントリに続けて、ホルモンを快適に焼く器具として、上火加熱方式を採用した調理機器の可能性を検討します。

少し調べてみますと、様々な器具があることが判りました。大別すればカセットボンベを含むガスの燃焼エネルギを利用するタイプ、或いは電気を熱エネルギに変換するもの、といった処でしょうか。

適わぬ理想は炭火の上火加熱です。網の上におこした炭を載せ食材の上にかざせばいいのですが、ただ、食材への灰の降りかかり防止が困難です。

実現性がありそうな理想をカセットボンベを採用した器具として調べてみました。

実は本エントリを記すに当たり改めて上火加熱型の機器を調べてみた処、ニチネンからカセットボンベを使用した上火加熱型の遠赤グリルが新たに発売されていました。発売してまだ間もないためその評価はまだこれからのようですが、写真を見る限り加熱部の面積はそれほど広くないようです。円形状で直径30cmといったところでしょうか。

加熱部分の面積が十分あって、ホルモンが快適に焼けるようであれば、確実に地団駄踏んでました。新規に購入していたかもしれません。幸い(?)なことに該部分が求めているほど広くはないため、購買衝動を抑えることができました。

カセットボンベを使用する上火加熱型のグリルは、最近発売された該機種のみで、以前は見つかりませんでした。必然的にホースで都市ガス、或いはLPガスを供給して使うタイプに限定されます。

鰆や銀ムツ(マジェランアイナメ)の照り焼きを求めに訪れる仕出屋があるのですが、そこでは上火加熱型のグリルを使って照り焼きを焼き上げています。こういったタイプのグリルは、例えば、
赤外線グリラー上火式
で容易に見つかりました。ただ、この機器はキッチン据え置きになり収納できません。”開業する気か!”と周囲から非難されるのも確実で断念しました。

では、家庭での使用に適した、できれば収納可能な小型の機器となると....ないようです。。厳密にはリンナイパロマの好適そうな製品を見つけたのですが、既に販売終了でした。

前者はリンナイ製コンパクトグリラーR-3452-3でバーナーを回転することによって上火と下火を切り換えられるスグレモノのようでした。

実物は滋賀県の鮎茶屋かわせという鮎料理店見ることができます。














パロマからはPY-8という卓上型の業務用焼物器があったようです。
コンロ

発売日が1969年07月とありますからかなり古い機器で、こちらも既に販売終了...

結局、上火加熱型で、熱源にガスを使うタイプでは満足できる機器がなかった、ということです。以降、電気を利用した上火加熱型のグリルを検討することになるのですが、手詰まり感と共に熟考というか放置期間に陥りました。

上火加熱でホルモンを焼く電気機器としてザイグルは使えないか、という考えはありました。上火加熱型グリラーとして最初に念頭に浮かぶ製品ではありますが、試してみようという気に全くなれませんでした

その理由は、
1.最も重視すべき基幹部分であるヒータについての情報が不十分。
2.テレビやラジオの通販番組で取り上げられていた。
ことにあります。カーボンヒータ使用、出力1200Wとあってもグリルとしての能力を推測できません。カーボンヒータの仕様も放出される赤外線についても不明です。その一方、通販番組では恰も焼肉をするための完璧な機器であるかの如く喧伝されていて、一歩引いて見ていました。デモでもあって実機の性能を体感できれば話は違ったかもしれませんが、全く検討対象にしませんでした。

時は流れて....自宅で局所暖房用にコロナ社製コアヒートを使用し始めたのは3-4年前でしょうか。この暖房機は温度調節ダイヤルを最小にしても、ヒータから放出される遠赤外線で局所暖房として十分な暖を取れます。搭載されているBC(ブラックセラミック)コーティングシーズヒーターが高性能なんでしょう。ヒータを赤変せずとも暖かさを感じました。

その後、ネットのどこかでこのヒータで焼き芋ができる、という話を見ました。改めて検索してみると、コアヒートでサツマイモを焼いているいくつかの画像を探すことは容易でした。ただ、この時はまだ”このヒータを使ってホルモンを焼く”ことまで繋げられませんでした。

しばらく、”高性能の暖房機”という見方から脱することができませんでしたが、今10ー11月頃ようやく、
”暖房機に搭載されている多量の遠赤外線を放出するヒータを、横向きにして上火の熱源にすればホルモンが快適に焼けるんじゃないか?
という思いが頭を過った次第です。特段なにかきっかけがあったわけではありません。本来ならばもっと早く気づけたはずですが、結果としてこのタイミングが後で功を奏することになります。

メーカのサイトを見てみると、コアヒートスリムの基幹部材であるヒーターについてその特徴が記してありました。上述のBCコーティングシーズヒーターで、
遠赤外線を発するシーズヒーターに、高輻射ブラックセラミックコーティングを施し、人体に吸収されやすい3~20ミクロンの遠赤外線がよりたっぷり放出される設計になっています。
とのこと。”人体に吸収されやすい”、即ち”肉を焼くのに適している”と理解しました。ただ、コロナ社からは該ヒータを利用した調理器具は製品化されていませんでした。

そこで、遠赤外線の放出効率の高いコーティングシーズヒーターを探してみた処、
遠赤外線ヒーター(セラミックコーティングヒーター)
遠赤外線シーズヒーター
等が見つかりました。この辺りの適当なヒーターを入手できれば自作も可能と考え、これを選択肢の一つとしました。同時に、高性能のヒータを採用した電気式暖房機であれば、ヒータの特性、仕様が詳述されている、という部分に着目し、コロナ社以外の暖房機についても調べてみました。

その結果、”アラジン”ブランドを擁する日本エー・アイ・シー株式会社が、自社技術による遠赤グラファイトヒーターを採用した、多彩な電気式暖房機を製品化していることを知りました。更に、上火式調理器具まで...

飛びついたのは勿論です。

正にこういったものを作ろうとしていたわけですから。ただ、該遠赤グラファイトヒーターは部品として入手不可能のようで、前記遠赤シーズヒータを使う以外選択肢はありませんでしたが。

上記”功を奏した”というのは該製品の発売日が2017.10.16だったということです。発売日がもう少し遅かったら自作に踏み切り、年の瀬の今頃にっちもさっちもいかなくなって途方に暮れていたかもしれません。

問題の使用感ですが、煙の発生、脂の飛散はありませんでした。ただ逆に食材が僅かに焦げることで加わる香ばしさにはやや欠けた感があります。相反しますからこれは当然です。最初に食材を載せた後、焼き上がるまで従来のガス火やホットプレートの場合より、時間がかかるようにも思いましたが、それほどの待たされ感はなく、又、焼き進める中に気にならなくなりました。

まだ使い始めたばかりであり、更に使用を重ねて評価すべきですが、現時点では概ね満足している処です。

2017年12月25日月曜日

請求

年の瀬と言えばクリスマスケーキ、おせちでありノルマと自腹購入です。先行している年賀状も該当します。そこで民放の番組によく登場するのが”大手コンビニ”です。”大手コンビニ”というコンビニチェーンがあるのか?

大手コンビニの匿名社員、匿名アルバイト...真実性に疑義が生じるほど実名が全く秘匿されています。プライバシーに配慮とか当事者が被る不利益を防ぐ、ということなんでしょう。
”実名を明かさないことを望むなら、広告宣伝費や番組協力費を出せ。”
と聞こえるのは空耳かもしれません。

ところで、槍玉に挙がるのは殆ど大手コンビニです。親会社、関連会社に位置づけられるスーパー他の流通会社からそういった話が全く出てこないのは何故なんでしょうか。

念仏

念仏と同じでどこまで理解して使われているのでしょうか。
アメリカでは「メリークリスマス」とは言わない
「メリークリスマス」忌避なぜ
米国から受信するE-mailも"Happy Holidays"の語が使われています。

今日(12/25)でもNHKで出演者が高らかに"メリークリスマス"と叫んでいました。元解説委員長も含めて...

日本で主に信仰されている仏教や神道は基本的に多神教であり、他の宗教に寛容です。ただだからといって、かつての"メリークリスマス"の(行事の規模として)本家である米国で使用を控える動きが進んでいることにお構いなしに、あっけらかんと、脳天気な声で"メリークリスマス"の声が聞こえてくる、というのも違和感を禁じ得ないでいます。しかも、日本の公共放送で...

2017年12月24日日曜日

懸案2

前のエントリに続き、煙の発生を抑え、油(脂)跳ねの心配をすることなく自宅でホルモンを焼くことを考え続けていました。

この時点で、カセットコンロと焼網や焼肉プレートの組み合わせといった小手先の対応では難しい、という認識です。抜本的に熱源から検討しなければ、という考えに至りました。

確かに、業務用、無煙、ロースターで検索される器具なら可能かもしれませんが、開業するわけではありませんし...保管場所にも困ります。

これらのロースターの共通点は、やはり遠赤外線でしょうか。焼き上げるプレートにはいずれも孔があり、余分な脂を落とす構造になっています。この落ちた脂が熱源に触れて炎上、煙に発生を引き起こします。孔がなければ滲み出た脂が飛散します。多くの器具では落ちた脂が熱源に触れないよう、食材直下の位置を避けて熱源が配置されています。

熱源はガス火でセラミック炭を加熱、そこから発生される遠赤外線やハロゲンヒーターです。ただ調べてみると、食材から落ちる脂を確実に熱源に触れないようにすると、食材-熱源間が離れて火力不足になります。又、焼き続けてプレートの汚れが進むと、油跳ねしたり煙が発生するとのレビューも見ました。(プレートを水冷するロースターもありますが業務用です。)

食材直下の熱源、直火でなく、斜め下、遠赤外線による輻射であっても自宅で快適にホルモンを焼くのは問題があるようです。

何度ニチネンの遠赤外線グリル(CCI-101)をクリックしようとしたか...思い留まれたのはAmazonやカカクコムのレビューのおかげです。

次に、上記レビューこれまでの失敗を踏まえて、煙を漏らさず、脂を飛散させない密閉状態か、上方からの加熱による方法での問題解決を検討しました。

密閉状態で食材を焼き上げる方式として挙げられる器具は、フィッシュロースターとその派生型であろうマルチグリラーです。

高評価の、象印 フィッシュロースター EF-VG40-SA他について、メーカーのサイトやレビューを読んでみると、上手く焼けるようです。サンマが。まぁ、当たり前です。フィッシュロースターですから。煙やニオイ成分もカットできるようです。但しサンマですけど。”こんなものも焼けます”には焼きとり、ローストチキン、焼豚、焼きなすは例示されていましたが、いわゆる焼肉用の肉、ホルモンは記載されていませんでした。

”焼けない”ということはないのでしょうが、メーカとしてはそれはホットプレートの役割という意図かもしれません。フィッシュロースター、ホルモンをキーワードにGoogleで少し検索してみた処、範囲を広く取った焼肉の事例はあったものの、ホルモンを焼くことに焦点を絞ったサイトは見つかりませんでした。

そこで、フィッシュロースターでホルモンを焼いている状態を想像してみますと、熱源の組み込まれた蓋をしてフライパンで焼くようなものでしょうか。大きな違いは下方から、


[熱源(ガス火)-フライパン-ホルモン-熱源(蓋)]
ではなく、
[水の層(受皿)-熱源(ヒータ)-網-ホルモン-熱源(蓋)]
という構成です。余分な漬けダレや滲み出た脂は受皿にある水の層に落ちますので、フライパンの場合のように蓋を取った途端、フライパンに溜まった煙がでて脂が跳ねまくるということはないのかもしれません。しかしながら、漬けダレや滲み出た脂が受皿に落ちる際、ヒータに触れることで煙の発生や、着火は避け得ないとみています。密閉された加熱部内で、フライパンの場合程ではないにしても脂は跳ね、煙は充満するだろうと。

上記象印製フィッシュロースターには煙やニオイ成分をカットするプラチナ触媒フィルターが組み込まれていますが、ホルモンを焼いた際、該フィルターにどこまでの効果が期待できるのか、不安が払拭できませんでした。メーカーやユーザーからの情報は、あくまで魚を焼いた場合のものであって、ホルモンを焼いた場合については不明ですから。

結果的に”フライパンに蓋をして焼くより優るだろう”、と捉えています。ただ、フライパンの場合にはコンロ上の換気扇を運転しての加熱が可能ですが、フィッシュロースターの場合、それをどこに置いて使うか、という問題はあります。食卓に置いて使用していて加熱部内に煙が充満していた場合、蓋を取って拡散していく煙に対し対処する術を用意する必要があるかもしれません。かもしれません。

マルチグリラーは、パナソニックの製品ですが既に生産を終了していますので類似製品のロースター
スモーク&ロースター けむらん亭 NF-RT1000
で考えてみます。

外観は背が低
めのオーブントースタといったところでしょうか。引き出し状に構成された扉と受皿を出し入れする構造になっています。調理中は扉を閉めておくので、密閉状態が保たれたまま食材が加熱されます。加熱中に発生した煙は庫内ファンで補集、触媒フィルタへ導かれて分解、排気されるとのこと。触媒により有機物(油、煙、におい等)を酸化・分解して、においを軽減、煙も約90%カット、無色・減臭の気体として外部に排出、と記載されています。

ただ、やはりサンマを焼い場合が基準とされています。ホルモンを焼いた際に発生する、相当の分を含む、いわゆる油煙が、果たして十分分解されるだろうか、サンマで上手くいったとしてもホルモンで上手くいくとは限らず心許ない、というのが正直な印象です。

確かに本製品を使えば室内で燻製が作れるようですから、煙の分解、除去性能が優れているのは間違いないでしょう。しかしながら、脂の分解、除去性能となると不明です。検索もしてみましたが、いわゆる焼肉にこの器具を使ってみた、という例は見つかりませんでした。ただ取説掲載には鶏のもも肉を使った調理例がありますから、脂を含む食材が全く不適ということではないのでしょうが、豚肉や牛肉の調理例がないことからそれなりに脂を含む食材の調理には不向きであることを想起させます。ホルモンを焼くなど言語道断、器具の特性を無視した神をも恐れぬ所業でしょうか。

ここで、脂分の多い油煙の分解、除去が不十分であることを前提に、前記フィッシュロースターの場合と同様に脳内シュミレーションしてみます。この前提でホルモンを焼き続けると、庫内には飛散した脂が付着、蓄積していくであろうことは容易に推測できます。

取説内の”故障かな?”に記載されているように、加熱によりホルモンから滲み出た脂が受皿に落下する際、下部ヒータに触れ、庫内で発煙、引火炎上することも十分起こり得ます。

調理中庫内で瞬間的に炎が出たり排気口から煙が出る

→故障ではありません。 
魚の脂などが下ヒータの上に直接落ちると、瞬間的に炎や煙が出ることがあります。また、脂の多いものを焼くと脂から発生するガスが燃えることがあります。


この庫内での脂跳ね、発煙、炎上の繰り返しにより、排気ファンを含む庫内への脂の付着、蓄積が進みます。名古屋や渋谷の焼肉店で火災の原因となった、脂の付着、蓄積したダクトの状態に近づいていく、ということです。

更に取説によれば、本製品は受け皿に水を張らないで使用することになっています(オートメニュー使用時)。一旦、庫内で引火すると、庫内に付着した脂は勿論、受皿に落ちた脂、更には食材であるホルモンにも着火、炎上し続け庫内が非常に高温になる恐れがあります。上手く焼けるか否か以前に安全性が気になる処です。

本製品は食材の上下にヒータが配置された両面焼きの構造ですが、これが例えばマニュアルで上ヒータのみの加熱が可能ならば発煙、引火は抑制できるかもしれません。ただ、そもそもそんな機能は備えておらず、又、改造しても上部ヒータのみで上手く焼けるのか、といった疑問は残ります。

以上を踏まえると、ホルモンを焼く器具として後者のパナソニック製のオーブントースタ型のロースターの利用は向いてないなと。まぁ、メーカーも一言も触れてませんし。

前者のスーツケース様のフィッシュロースターが候補の一つであるのは間違いありません。ただ、構造上どうしても焼きながら食すというスタイルが不可能です。まとめて焼いて、焼けたら全て取り出し次を並べて焼く、というバッチ運転になります。この辺りが、候補のではあるが今ひとつ触手が伸びない、購入のクリックボタンを押させず躊躇させていました。

そこで、更なる可能性を求めて上火加熱を採用している器具の検討を始めました。


懸案3へ

2017年12月22日金曜日

後盾

既に、其処此処で提案されている話ですが、日本相撲協会が新日本相撲協会と全日本相撲協会に分裂という方向に進む端緒なんでしょうか。
錣山親方ら3親方、時津風一門を離脱…理事選は無所属で投票
ここはやはり、国技の名の下、角界の旧態依然としたムラ的体質というか既得権に胡座をかいた姿勢、これらを強固に守護してきたNHKも、返す刀で解体すべきなんじゃないかと。


追記していきます。

2017年12月18日月曜日

懸案

未だ完全な解決には至らないものの、一定の進捗が確認できました。

油跳ね、煙、匂いの心配をすることなく、”自宅内でホルモンを焼きたい”という願いは古今東西、全国津々浦々、老若男女を問わず根強くあります。

油跳ね、煙、匂いに対し、十分満足にとはいかないまでも、まぁ支障なく自宅でホルモンを焼くことを可能たらしめるに至った経緯を備忘録として記しみようかと。

焼肉店で煙や匂いを気にすることなく焼いた状態には及んでいないのは勿論です。大なり小なり検討を加えた、道具?、器具?、装置?を列挙します。より優る手法を御教示、御指摘頂ければ幸いです。

火事を起こさないことは必須条件です。

初めて自宅でホルモンを焼いてみたのは今から二十年以上前のことです。使用した器具はいわゆるホットプレートでした。経験ある方には御存知のことですが、何の対策も講じないまま漬けダレで味付けさたホルモンを焼いた結果、その脂の飛散たるや....

油煙対策として、部屋の換気扇を廻してはいたものの、フローリングの床は飛散した脂でテカテカになりました。匂いについては、食後直ぐは嗅覚が慣れてしまっていて感じなかったのですが、翌々日まで残ったでしょうか。換気扇の効果など無きに等しく、ホットプレートから発する強大な油煙になす術もなく、脂が飛散するがままに焼き続ける他ありませんでした。

爾来、ホットプレートでホルモンを焼くことは封印されました。

その後、ごく稀に、キッチンのガスコンロを熱源にフライパンに蓋をして焼いてみるものの、蓋を取った時の脂の飛散は激しく、何より強い”コレジャナイ感”を抱いていました。

片時もは言い過ぎですが、”着座して焼きながらホルモンを頬張りたい”この願いが念頭から離れることはなく、試行と思考を続けました。

まず、安易に所謂卓上のカセットコンロと焼肉用プレートの組み合わせを試してみました。中心が丘のように盛り上がったジンギスカン鍋と同様に加熱によりホルモンから溶け出た脂が排出、分離されればいいんじゃないかと。

市販の焼肉用プレート他を試してみました。それは十年以上も前の自宅の話です(リンクに意味はありません)。

まず最初に試したのは”プログレード セラミック グリル(フッ素焼き網)”という焼網です。


ホーロー加工の受皿に、セラミック加工の中網を敷き、その上にフッ素樹脂加工の施された上網を載せた構造になっています。カセットコンロのガス火によって加熱された中網から発せられる遠赤外線がホルモンをじっくり焼き上げる...そんなイメージでした。溶けた脂を受皿に落とすことで脂ハネや煙の発生は抑えられるだろうと。焼肉店のグリルのようにガス火に脂が落ちることもないので、引火して炎上することもないはず...

カセットコンロと受皿の間に挿入するスタンドも付属していました。これは受皿とガス火の間隔を離すことで上網に加工されたフッ素樹脂の熱分解を防ぐためだろうと。上網とガス火が離れていても、ホルモンを焼き上げるのに十分な遠赤外線を中網のセラミックが発するはず、と妄想していました。加えて、注意書きには”1時間以上の連続使用はしないでください”とか、”火力は中火、もしくは弱火でご使用ください”とありました。否が応でも強力な遠赤外線の放出を期待させたわけです

で、その結果は.....
焼けねーーっ
脂跳ねの心配は確かにありませんでした。何しろいつまで経っても焼けませんから。 野菜も含めてです。スタンドやら受け皿で食材が熱源から離された上、中火か弱火...最後は強火にもしましたが。焼けるには火力があまりに弱く、焼き網としての機能を何ら果たしませんでした。

”1時間以上の連続使用はしないでください”?1時間も網の上に乗せた生の材料を見つめ続けることなどできません。”しないでください”ではなく、”できません”。用意したホルモンは、キッチンのコンロでさっさと焼いて頂きました。フライパンを使用してですから、勿論、脂を飛散させながらも...箱に戻した上記焼き網を再び箱から出すことなく今日に至っています。

本当に遠赤外線は放出されていたのでしょうか。疑念は未だ払拭できていません。

次に試してみた器具はイワタニのフッ素加工 焼肉プレートです。元々、イワタニのカセットコンロ専用のアクセサリです。保有している他社のカセットコンロで使ってみて、具合がいいようならイワタニのカセットコンロに買い換えるのもありかなと。



ドーナツ状に加工された受皿の外周部に水を入れ、中央部がやや盛り上がったフッ素樹脂加工のプレートを載せる構造になっています。受皿は中空となっているためコンロからの熱は遮られることなく上部のプレートに伝えられ、食材が加熱されると。この時プレートはややドーム状となっているため、食材の漬けダレ、滲みだした脂を外周部へと流し、刻み込まれた細長い穴から受皿に落とす、そういった算段です。

ジンギスカン鍋の鉄板より積極的に漬けダレや脂を分離してハネや煙の発生を抑える、ということなんでしょう。

使用した結果としては、ホルモンを焼くには全く不十分というものでした。プレート上で、実質的に食材が加熱される部分が狭すぎます。ドーナツ状受皿の外周部には水が張られていますから、プレート外周部では水の層を介して熱が食材へ伝わることになり焼けません。食材が加熱されるのは水の層で熱が遮られない中央部のみです。直径15cm程度の丸皿に焼肉用の食材が一体どれだけ載せることができるか...一人焼肉ならまだしも、複数人で焼肉をするには不向きです。

煙も出ますし、脂も跳ねます。食材が焼ける中央部には孔がありませんから。中心から外周へ向けて傾斜はついているものの、食材の漬けダレ、滲みだした脂が速やかに除去されるというわけでもなく、小さな中華鍋をひっくり返してドーム状の頂きでホルモンを焼いているようなものでした。受皿の水が時間と共に沸いて減っていくのも気になりますし、コンロからの熱エネルギーが、”受皿に張った水を沸かすのに消費される”のも、なんだか効率的ではないなぁと。

結局、最初に載せたホルモンを焼いた後、残りはやはり前回と同様にキッチンのフライパンで焼きました。該プレートでちまちま焼くということは、長時間煙を発生させ、脂を飛散し続けるということですから。

このプレートも箱に収納されたまま今日に至っています。

以降、これ以上ホルモン向け器具の不要品を積み上げていくのを避けるべく、長い熟考の潜伏に入ります。


懸案2に続けます。

2017年12月17日日曜日

幇助

今後も絶えることなく燻り続け、時折、炎上し、ガス抜きすることで組織内に蓄積された応力が緩和されていくのだろうな、と感じるわけです。
はあちゅうが著名クリエイターのセクハラとパワハラを証言 岸氏「謝罪します」
繰り返し社員を過労死に追い込んだことで、その悪名を社会に轟かせた電通が、再び...ということでしょうか。両者共に退職しているとはいえ在籍時の話ですから、
1.岸氏は既に退職しているので、電通で答える立場にありません。
2.社員に関することは、個人情報であり、社として一切申し上げられません。
知らぬ、存ぜぬといった電通側の姿勢にも疑問符をつけざるを得ません。そういった企業体質を醸成し、了としてきた責任はやはり免れないんじゃないかと考えます。

前エントリ同様、
正業に就いて、真面目に働いたらどうなんだ?
と思います。 クリエイティビティ、創作、創造、権威、そういった虚の部分の肥大化こそがハラスメントの温床なんだろうと。

で、そういったハラスメントの原動力は、実は社会から供給されてきたわけです。大手民間企業、政府や地方自治体からの広報、企画等に絡む電通の事業収入を考慮すれば、”社会全体が電通に力を与え幇助している”とみるのも的外れではないでしょう。

電通は自律的に是正できるのか、その可否は取りも直さず社会は自ら能動的に賢くなれるのか、という問にも繋がると捉えていますが、否定的な懸念を払拭できないのが実の処です。

離合

━━われても末に逢はむとぞ思ふ━━
NHKアサドラ”わろてんか”で落語”崇徳院”を題材にした週がありました。

なんだコレ、立憲と民進の話なのか?
蓮舫氏が立憲民主入り?あまりに厚顔無恥だ
山尾志桜里氏が生番組で立憲民主党入り意向明かす
民進党、年の瀬に「解党的出直し」の断末魔
党名「帰ってきた民主党」?=大塚民進代表
どうでもいい話なんですけど、もう少しナントカナランノカ?資源の浪費以外の何ものでもない、というのが率直な印象です。

協会、組合といった既得権を有する団体には内紛がつきものなのは致し方ないことですけど。
もう正業に就いて、真面目に働いたらどうなんだ?
素直にそう思います。