2017年12月24日日曜日

懸案2

前のエントリに続き、煙の発生を抑え、油(脂)跳ねの心配をすることなく自宅でホルモンを焼くことを考え続けていました。

この時点で、カセットコンロと焼網や焼肉プレートの組み合わせといった小手先の対応では難しい、という認識です。抜本的に熱源から検討しなければ、という考えに至りました。

確かに、業務用、無煙、ロースターで検索される器具なら可能かもしれませんが、開業するわけではありませんし...保管場所にも困ります。

これらのロースターの共通点は、やはり遠赤外線でしょうか。焼き上げるプレートにはいずれも孔があり、余分な脂を落とす構造になっています。この落ちた脂が熱源に触れて炎上、煙に発生を引き起こします。孔がなければ滲み出た脂が飛散します。多くの器具では落ちた脂が熱源に触れないよう、食材直下の位置を避けて熱源が配置されています。

熱源はガス火でセラミック炭を加熱、そこから発生される遠赤外線やハロゲンヒーターです。ただ調べてみると、食材から落ちる脂を確実に熱源に触れないようにすると、食材-熱源間が離れて火力不足になります。又、焼き続けてプレートの汚れが進むと、油跳ねしたり煙が発生するとのレビューも見ました。(プレートを水冷するロースターもありますが業務用です。)

食材直下の熱源、直火でなく、斜め下、遠赤外線による輻射であっても自宅で快適にホルモンを焼くのは問題があるようです。

何度ニチネンの遠赤外線グリル(CCI-101)をクリックしようとしたか...思い留まれたのはAmazonやカカクコムのレビューのおかげです。

次に、上記レビューこれまでの失敗を踏まえて、煙を漏らさず、脂を飛散させない密閉状態か、上方からの加熱による方法での問題解決を検討しました。

密閉状態で食材を焼き上げる方式として挙げられる器具は、フィッシュロースターとその派生型であろうマルチグリラーです。

高評価の、象印 フィッシュロースター EF-VG40-SA他について、メーカーのサイトやレビューを読んでみると、上手く焼けるようです。サンマが。まぁ、当たり前です。フィッシュロースターですから。煙やニオイ成分もカットできるようです。但しサンマですけど。”こんなものも焼けます”には焼きとり、ローストチキン、焼豚、焼きなすは例示されていましたが、いわゆる焼肉用の肉、ホルモンは記載されていませんでした。

”焼けない”ということはないのでしょうが、メーカとしてはそれはホットプレートの役割という意図かもしれません。フィッシュロースター、ホルモンをキーワードにGoogleで少し検索してみた処、範囲を広く取った焼肉の事例はあったものの、ホルモンを焼くことに焦点を絞ったサイトは見つかりませんでした。

そこで、フィッシュロースターでホルモンを焼いている状態を想像してみますと、熱源の組み込まれた蓋をしてフライパンで焼くようなものでしょうか。大きな違いは下方から、


[熱源(ガス火)-フライパン-ホルモン-熱源(蓋)]
ではなく、
[水の層(受皿)-熱源(ヒータ)-網-ホルモン-熱源(蓋)]
という構成です。余分な漬けダレや滲み出た脂は受皿にある水の層に落ちますので、フライパンの場合のように蓋を取った途端、フライパンに溜まった煙がでて脂が跳ねまくるということはないのかもしれません。しかしながら、漬けダレや滲み出た脂が受皿に落ちる際、ヒータに触れることで煙の発生や、着火は避け得ないとみています。密閉された加熱部内で、フライパンの場合程ではないにしても脂は跳ね、煙は充満するだろうと。

上記象印製フィッシュロースターには煙やニオイ成分をカットするプラチナ触媒フィルターが組み込まれていますが、ホルモンを焼いた際、該フィルターにどこまでの効果が期待できるのか、不安が払拭できませんでした。メーカーやユーザーからの情報は、あくまで魚を焼いた場合のものであって、ホルモンを焼いた場合については不明ですから。

結果的に”フライパンに蓋をして焼くより優るだろう”、と捉えています。ただ、フライパンの場合にはコンロ上の換気扇を運転しての加熱が可能ですが、フィッシュロースターの場合、それをどこに置いて使うか、という問題はあります。食卓に置いて使用していて加熱部内に煙が充満していた場合、蓋を取って拡散していく煙に対し対処する術を用意する必要があるかもしれません。かもしれません。

マルチグリラーは、パナソニックの製品ですが既に生産を終了していますので類似製品のロースター
スモーク&ロースター けむらん亭 NF-RT1000
で考えてみます。

外観は背が低
めのオーブントースタといったところでしょうか。引き出し状に構成された扉と受皿を出し入れする構造になっています。調理中は扉を閉めておくので、密閉状態が保たれたまま食材が加熱されます。加熱中に発生した煙は庫内ファンで補集、触媒フィルタへ導かれて分解、排気されるとのこと。触媒により有機物(油、煙、におい等)を酸化・分解して、においを軽減、煙も約90%カット、無色・減臭の気体として外部に排出、と記載されています。

ただ、やはりサンマを焼い場合が基準とされています。ホルモンを焼いた際に発生する、相当の分を含む、いわゆる油煙が、果たして十分分解されるだろうか、サンマで上手くいったとしてもホルモンで上手くいくとは限らず心許ない、というのが正直な印象です。

確かに本製品を使えば室内で燻製が作れるようですから、煙の分解、除去性能が優れているのは間違いないでしょう。しかしながら、脂の分解、除去性能となると不明です。検索もしてみましたが、いわゆる焼肉にこの器具を使ってみた、という例は見つかりませんでした。ただ取説掲載には鶏のもも肉を使った調理例がありますから、脂を含む食材が全く不適ということではないのでしょうが、豚肉や牛肉の調理例がないことからそれなりに脂を含む食材の調理には不向きであることを想起させます。ホルモンを焼くなど言語道断、器具の特性を無視した神をも恐れぬ所業でしょうか。

ここで、脂分の多い油煙の分解、除去が不十分であることを前提に、前記フィッシュロースターの場合と同様に脳内シュミレーションしてみます。この前提でホルモンを焼き続けると、庫内には飛散した脂が付着、蓄積していくであろうことは容易に推測できます。

取説内の”故障かな?”に記載されているように、加熱によりホルモンから滲み出た脂が受皿に落下する際、下部ヒータに触れ、庫内で発煙、引火炎上することも十分起こり得ます。

調理中庫内で瞬間的に炎が出たり排気口から煙が出る

→故障ではありません。 
魚の脂などが下ヒータの上に直接落ちると、瞬間的に炎や煙が出ることがあります。また、脂の多いものを焼くと脂から発生するガスが燃えることがあります。


この庫内での脂跳ね、発煙、炎上の繰り返しにより、排気ファンを含む庫内への脂の付着、蓄積が進みます。名古屋や渋谷の焼肉店で火災の原因となった、脂の付着、蓄積したダクトの状態に近づいていく、ということです。

更に取説によれば、本製品は受け皿に水を張らないで使用することになっています(オートメニュー使用時)。一旦、庫内で引火すると、庫内に付着した脂は勿論、受皿に落ちた脂、更には食材であるホルモンにも着火、炎上し続け庫内が非常に高温になる恐れがあります。上手く焼けるか否か以前に安全性が気になる処です。

本製品は食材の上下にヒータが配置された両面焼きの構造ですが、これが例えばマニュアルで上ヒータのみの加熱が可能ならば発煙、引火は抑制できるかもしれません。ただ、そもそもそんな機能は備えておらず、又、改造しても上部ヒータのみで上手く焼けるのか、といった疑問は残ります。

以上を踏まえると、ホルモンを焼く器具として後者のパナソニック製のオーブントースタ型のロースターの利用は向いてないなと。まぁ、メーカーも一言も触れてませんし。

前者のスーツケース様のフィッシュロースターが候補の一つであるのは間違いありません。ただ、構造上どうしても焼きながら食すというスタイルが不可能です。まとめて焼いて、焼けたら全て取り出し次を並べて焼く、というバッチ運転になります。この辺りが、候補のではあるが今ひとつ触手が伸びない、購入のクリックボタンを押させず躊躇させていました。

そこで、更なる可能性を求めて上火加熱を採用している器具の検討を始めました。


懸案3へ

0 件のコメント:

コメントを投稿