2019年10月2日水曜日

痛感

まだまだ考察不足であることを痛切に実感しました。

以前のエントリで、豚コレラ対策としてワクチン接種が遅きに失したことの理由として挙げられている、”豚肉輸出への打撃”に疑問を呈しました。国内の豚肉生産量の約0.25%程の輸出にそこまで配慮する合理性が理解できませんでした。

ただ最近、輸出入に関わる別の理由がワクチン接種が遅らしたのでは、と推測しています。理由として行政の無作為、判断の誤りよりはもう少し妥当性があるように受け止めています。

それは、豚肉の輸出ではなく、実は輸入に理由があった、ということです。豚へのワクチン接種を開始すると、国際的に”ワクチン接種が必要な国”である”非清浄国”にグループ分けされます。

これまで清浄国であった日本は、非清浄国から日本への豚肉輸出を拒否できました。勿論、清浄国である米国やカナダからの安価な豚肉の国内流通は妨げられていませんが。ところが日本が非清浄国になってしまうと、米国やカナダに加えて非清浄国からの豚肉の輸入圧力に晒されることになります。

つまり、清浄国というある意味輸入障壁で国内養豚業は保護されてきましたが、非清浄国化によってその障壁が取り除かれ、安価な豚肉がどっと国内に流入してくるというわけです。

国内養豚業保護を目的に輸入を規制したり高率の関税をかけることは、おそらくWTOの国際ルール違反との批判をあびることになります。そこで、OIE(国際獣疫事務局)のルールを使って清浄国/非清浄国間の障壁のようなもので国内養豚業を保護してきたと、そんな処ではないでしょうか。

であるならば、豚へのワクチン接種による非清浄国化を回避するため、接種の時期が遅れたというのも首肯できる話です。

気づくことができませんでした。

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