2019年2月2日土曜日

流伝

現在絶賛放送中のNHK 朝ドラ”まんぷく”について少し記します。

ザクッといえば日清食品 創業者の安藤百福氏をモデルに、お湯をかければ出来上がるチキンラーメンが開発に至るまでのドラマです。

このチキンラーメンの成功により日清食品の今があるのは間違いありません。ドラマは2/1(土)時点では、麺の加工で難航しています。味をつけ製麺された生麺を、どのように加工してお湯を加えただけで食べられる状態するか、問題となっているわけです。

次週で天ぷらをヒントに生麺を加熱調理、脱水して製品化に至る、そういった流れでしょうか。これら一連の流れは、かつて、日経 私の履歴書で読んだ覚えがありますし、それ以前に”インスタントラーメン開発秘話”として何かの漫画で知ったような...定かではありません。

で、ここで指摘しておきたいのは、安藤氏は実は出生が台湾の台湾人であって、果たして天ぷらからチキンラーメンの加工方法を着想したという部分の真偽です。

勿論、天ぷらがその一助であった可能性はありますが、台湾には既に麺を油で揚げた即席麺があったようです。
安藤が「発明」としている麺を油で揚げて調味料をまぶし、お湯をかけて食べる調理法については、安藤の出身である台湾南部において、戦前から「雞絲麵」(ジースーミエン)「意麺」(イーミエン)などと呼ばれる油揚げの即席麺が広く存在していたからだ。
こちらが事実であるならば、氏が台湾人であること、古くから台湾にある食品を応用してチキンラーメンの開発に至ったことを隠蔽した理由はなにか、という話になってしまいます。

おそらく、なにか事情があってのことでその事自体を云々する意図は毛頭ありません。

しかしながら、創作が既成事実化し、真実であるかの如く一人歩きしてしまうこと、その手法には強く異を唱えます。制作側が恰も事実であったかのように視聴者を引き込みたい意図は解らないでもありません。ただ視聴者の多くが虚構が事実であると意識下に刷り込まれてしまうわけで、問題なしと受け止めるには大きな抵抗を覚えます。

こういった事例は枚挙に暇がなく、NHKであれば大河ドラマも該当しますし、先日来論争になっている、”日本国紀”を巡る信憑性の話も同根と考えます。
『日本国紀』問題を考える―歴史学と歴史小説のあいだ①
『日本国紀』問題を考える―歴史学と歴史小説のあいだ②
出所不明の文言ですが、
嘘も百回言えば真実になる
わけです。統計ですら信頼性に疑義が生じる昨今です。
統計不正問題
こういった話は以前も言及していますが、巷に溢れる虚構とどう向き合っていくべきか、引き続き考えてみます。


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