2018年11月4日日曜日

聖地

先日、軽トラ転倒騒動があったためか、今年はハロウィンに纏わる都知事や都議会議員の露出がほとんどありません。

こっちの都議会議員は離党やら週刊誌報道で、こっちの都知事は豊洲市場問題でそれどころではないのかもしれません。多少はイベントに出席しているものの、昨年までと力の入れ方は様変わりです。

元々、博報堂だかの広告代理店が仕掛けた人為的なイベントでハロウィンバブルといった感があります。数年前に火がつき、首長、議員を巻き込みつつ今年は炎上のピークを迎え、来年辺りポンプ車が登場、といった処でしょうか。つつがなく煽動の役割を果たした新聞、テレビなどのメディアも、来年は消火役に転じるのかもしれません。

今年も既にNHKは軽トラ転倒騒動を受けてか21:00のニュースで、
”終電で帰宅するように”とか、
”マナーを守って”
などと呼びかけていましたが、頭は大丈夫なんでしょうか。当該ニュースの視聴者は渋谷に行っていませんし、その時間に渋谷で騒いでいる仮装の連中が呼びかけを聞いている道理もないわけです。

まぁ、NHKとしては”ちゃんと呼びかけた”という事実を作ることこそが重要だったのかも。であれば理解はしますけど。

来年以降様々な対策が講じられるのでしょうが、渋谷がもはやハロウィンの聖地と化しているのは疑いようがありません。今後も都内のみならず各地方、場合によっては海外からもアレな人々が渋谷に押し寄せるのは明らかであり、これを押し止めるのは困難ではないかと。有料化や一定の強制性が導入されるのでしょうか。

有料化と共に代々木公園の開放などの声があるようですが、自由を制限した管理ハロウィンで一気に熱を冷ます目論見なのか...ふるさと納税フィーバーの終焉と時を同じくしてハロウィンバブルの崩壊が始まるのか、注意して見ておきたい処です。

このような不特定多数の参加者が集まるイベントでは当然の如く大量のゴミの散乱等、マナーの問題が発生します。花火大会、花見やバーベキューの場所となる海岸、河川敷、公園、海水浴場と同様です。これは避けられない、改善など望むべくもないとみています。しばしば民度の問題との指摘がありますが、匿名性が高く群集心理が働いている不特定多数の集団です。同様の場合、ある特定の目的にのみ集合した自由、換言すれば無秩序な集団が、目的以外の何らかの規律の下で行動する、そういった事例が思い浮かびません。

おそらく、誰かが片付ける、或いはその原資にもなる罰金、税金、入場料を含む何らかの強制性を導入する以外解決できないのではないでしょうか。同時に冷却効果も期待できますし。

さて、このような仮装というキーワードのみで繋がれたハロウィンの群集に対し、博報堂出身の地元渋谷区区長や、センター商店街振興組合理事長から批判の声が上がっています。
「許せない」渋谷区長 ハロウィーン有料化など対策検討へ
「ハロウィンではなく変態仮装行列」激怒の渋谷センター街理事長「来年は禁止に」「放置すればテロに繋がる」
”ハロウィンではなく...”の文言に”じゃ、本物のハロウィンって?”という疑問が過るのですが、それはさておき、これまで地域振興や商機と捉え便乗してきたのでは、という面は否めないのではないかと。

ハロウィンセールで売上を上げて、あわよくば聖地化の皮算用もあったはずです。秋葉原に倣って。ハロウィンという実体のないイベントに日本全国が浮かれる中で、渋谷を日本ハロウィンの聖地として観光名所化する、そんな思惑があったであろうことは容易に推測できます。

そういう助平心を棚に上げ批判の声で覆おうとしても、今更感が漏れ出てきています。断固排除の姿勢を示さない限り、渋谷のハロウィン騒動は沈静化と過激化を繰り返しながら、今後も続いていくものとみています。

翻って、名古屋では栄オアシスの状況が地元テレビ局やNHKのローカルニュースで流されていました。これを指して
”名古屋では混乱はなく”はともかく、”モラルがある”、”マナーが守られている”は大きな勘違いです。単に群衆の規模が小さかったに過ぎません。


ハロウィン騒動に代表される群集心理が、民主主義で言う処の民意と通底していないことを強く願っています。

尚、同日の報道で天皇の退位、新天皇の即位、新元号の発表や長期の連休等の話題が件のハロウィン騒動と共に報道されました。恰も同質のイベントとして扱っているような印象すら抱き、そういったメディアの姿勢に強い違和感を覚えました。残念です。

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