2017年9月4日月曜日

泡沫2

前のエントリに続けての話です。

パンについてのブログやレビューを頻繁に目にします。少なくとも白飯についてよりは多いのではないでしょうか。

こういったパンの風味についてのブログを眺めてみると、勿論、食パンやハード系食事パンについての言及もあるのですが、それ以上に菓子パン、惣菜パンに関してより多く語られていることに気づきます。

菓子パンと言えばあんぱん、クリームパン、メロンパンが典型で、惣菜パンは、カレー、やきそば、コロッケやトンカツ等のフライ、オムレツや茹で玉子、(生)ハム、ベーコン、ソーセージ等の畜産加工品、ツナ、スモークサーモン、オイルサーディン等の水産加工品、その他チーズ、コーン、トマト、レタス等々乳製品や野菜とパンを合わせたサンドウィッチ様のパンです。

他にはレーズンや無花果、クランベリーといったドライフルーツや胡桃などのナッツ、チョコチップを生地に練りこんで焼き上げたパンについてもレビューされていたりします。

で、素朴な疑問なんですが、これらのパンについて語ることは果たしてパンの美味しさについて述べたことになるのだろうか、ということです。

まぁ、どうでもいい話ですが...

米飯に当てはめてみると、例えば、菓子パンはおはぎやぼたもちに、惣菜パンはカレーライス、カツ丼、天丼、牛丼だったり、天津丼、更には海鮮丼、うな丼に対応しているのでは、と思うわけです。

ドライフルーツやナッツ入りのパンには、対応するものとして筍や鶏肉の釜飯だったり栗や青豆の混ぜ御飯といった処が思い浮かびます。

この関係を踏まえて、カツサンドとカツ丼で考えてみます。これまでカツサンドとカツ丼の風味について様々な言及、評価を目にしてきました。その中でカツサンドのパン、カツ丼の白飯そのものに焦点をあてた記述は殆ど記憶にありません。全くとしても過言ではない程です。

せいぜい、カツ丼で白飯の量が多い少ない、炊き方の巧拙でよほどよくない場合、自身の腹具合でご飯が進むとか、そんな処でしょうか。言及のほぼ全てはアタマと丼ツユについてのものです。カツが揚げ立てだとか、カツの肉の厚い薄い、堅い柔かい、豚肉の味わい、衣の厚い薄い、衣と肉の密着性や、丼ツユの滲みこみ具合、卵の白身と黄身の混ぜ具合、火の入れ加減だったり、丼ツユの甘い辛い、薄い濃い、多い少ないなどです。他には三つ葉は不要とか玉葱より長ネギのほうが好みだとか...変わったところでは味噌カツ丼、ソースカツ丼、デミソースカツ丼についての記述でしょうか。

これをカツサンドに当て嵌めてみると、やはりカツ自体の旨さだったり、キャベツだったり、ソースがとんかつソース、味噌ソース、サルサソースだの、といった話になります。

つまり、カツサンドを含む惣菜パンではパンの風味はそれほど重視されておらず、批判されない程度にそこそこのパンが使われていればそれで十分、ということではないでしょうか。

惣菜パンの美味しいパン屋はパンの美味しい店ではなく、惣菜が美味しいパン屋です。まぁ、惣菜パンに用いられる惣菜は外れようがないものが殆どと思いますが。そういった視点に立てば、例えばカツサンドならそれを作っているトンカツ屋や精肉店の方が優っているような気がします。極論すれば美味しい惣菜を入手して適当なパンを自分で組み合わせても外れはないような...

これまで名古屋やその近郊でいくつものパン屋が美味しい店として話題になりましたが、こと惣菜パンに限ればそれを以てして美味しいパンの店と評価するのもちょっと違うのでは、と思った次第です。

驚くべきことに、近所のドラッグストアで税抜70円の食パン一斤に-30%のシールが貼付されて並んでいました。巷間、エシレのバターをふんだんに使用したという高級食パンが話題になったりしますが、前者のパンにエシレのバターをたっぷり塗って較べてみたい処です。

ただ、やはり残暑厳しい今の時期なら食パンより胡瓜かトマトではないでしょうか。例えばにいみ農園のいい時期のトマト、或いは瑞々しい生の胡瓜や辛子漬けスライスを薄めに切った食パンに添えて頬張れば、パンの風味の多少の差異など気になりません。

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