2015年9月26日土曜日

補填

季節の変わり目の連休やテレビ番組の改編期になると各局で、”〇〇警察△△24時”といった番組が放送されます。(〇〇、△△には全国、激録、密着、追跡、激闘、実録といった語を適当に挿入します。)

で、素直な疑問なんですが、”〇〇警察不祥事24時”といった番組は何故無いんだろうと思った次第です。素材は十分蓄積されているはずです。

魚と釣りが大好きなこの方のツィートにも警察含む公務員の不祥事報道が相当程度含まれています。素材がリアルタイムでアーカイブされていて、実は不祥事も好物なのかもしれません。

まぁ、そういった番組が制作されないのも、当然と言えば当然なんでしょう。メディア視聴者警察各々にとって都合がいい、心地良いということです。

低予算で制作でき、視聴者もそれなりに関心を寄せているので視聴率が期待できると。警察側にしてみれば、警察活動に対する市民の理解を得る、といった広報の目的に適っているわけです。

ただ、該番組が元々ドキュメンタリー番組であったのか、否かは存じませんが、ここの処ステマに似た思惑を感じてしまいます。

番組で取り上げられた個々の事件がヤラセと言うことではなく、事実をいくつか繋ぎ、組み合わせて伝えることで、全体として印象操作を意図してはいないか、ということです。

日々のニュースでは、警察の不祥事が頻繁に報道されてます。件数が増えたのか、単に、以前より報道されるようになっただけなのかはわかりません。

一方で、ドキュメンタリーであろう該番組ではそういった事例は一切取り上げられず、ひたすら市民生活の安心と安全確保に日々奮闘する警察の活動を伝えています。

中和というか信頼の失墜補填番組として受け止めてしまいます。報道される警察不祥事の件数が多ければ多いほど、それを覆うように、この類のドキュメンタリー番組が流されている、そういった印象を禁じ得ません。
――落とした後、持ち上げ再び叩く――
メディアの基本行動であるマッチポンプに正に合致した格好の題材となっています。叩いた後に持ち上げておかないと、次に叩けませんし、メディアにとって警察との親密な関係は不可欠です。事件報道のためには記者会見の出席や警察発表の広報文入手が必要ですから。

野次馬の好奇心も相互の利害をより強固に結びつけこそすれ、決して牽制する方向に力は作用しません。

威信、視聴率、好奇心の充足と引換に、公正、中立、客観事実といった堅持すべき部分が蔑ろにされているんじゃないないか、そんな思いを払拭できないでいます。






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