2014年4月19日土曜日

芝居

さて、一連のSTAP細胞騒動について少し記します。

ただ、生命科学の分野についても門外漢である私は、STAP細胞の真偽について触れるつもりはありません。

その上で、NHK始めテレビ各局で何度も放送された小保方氏の実験映像ですが、最初KYT(危険予知トレーニング)の教育資料かと思いました。

氏の髪型、化粧、壁の色、ムーミンまで言及するつもりはないのですが、
1.確かに防炎加工が施された割烹着というものは存在するよ
うですが一般的ではないようです。氏が着用された割烹着は防炎機能があったのでしょうか。


2.袖口、首周り、胸元が割烹着で覆われていないあの着用状
態について、実験中の事故を未然に防ぐための配慮不足
を指摘する声はなかったのでしょうか。


3.転倒の危険性を考えたらブーツ、ヒールの高い靴、いずれであっても実験に適切な履物とは思えません。

4.かなり目近でピペットを扱っているように見えました。安全メガネは不要なんでしょうか。

理研が提案したのか、テレビ局からの要望を受けてのことかは不明ですが、
演出であるのは明らかです。目くじら立てて指摘するほどではないのは承知しています。

仮に、演出ではなく事実であったならば...理化学に関し我国トップレベル位置付けられている研究組織の、実験に対する安全意識はあの程度かと、激しく落胆します。

"実験を甘く見てんのか? 危ねーだろ!"

率直な印象です。

では、演出ならば容認されるのか、といった話に続きます。



おそらく、あの演出された映像の意図は、視聴者の科学技術に対する理解を深めてもらいたい、といった所でしょう。
理研の研究レベル、科学研究に対する自由な姿勢をより強く印象づける情宣活動の一端として、小保方氏の若さ、女性らしさを強調しつつ画期的な研究成果を公表した、ということです。 

で、国民の支持、協力を得て、より強力に科学研究を推進したいと...下世話な表現をすれば存在意義を強固にして、補助金とポストの確保がより容易となる法人化(特定国立研究開発法人)、まぁ、既得権化を図りたいということでしょうか。

かつて問題が続出した、日本相撲協会、全日本柔道連盟、日本スケート連盟といったスポーツ系や日展に代表される芸術系の公益財団法人に類したものを感じてしまいます。

その目論見について云々するつもりはないのですが、その手段としてああいった演出映像まで使うのは如何なものか、と思うわけです。

研究成果の真偽以前に、あの映像自体がそもそも演出、即ち、捏造であり、事実を正確に伝えてはいないとみています。視聴者はメディアがこぞって放送する、科学者の、事実ではない研究活動ぽい映像を見せつけられているに過ぎません。 

些末な話かもしれません。ただそういった部分からも科学に対する信頼が揺らぎかねないような気がします。科学を身近に感じてもらうため演出だったのかもしれませんが、視聴者の多くにあの映像が科学研究者の日常的な実験風景として受け止められてしまうことに抵抗を感じます。

特に、将来、科学の道を志す若年層に、”実験がああいうものだ”という先入観を与えてしまう恐れを払拭できません。

科学に対し真摯に向き合っている姿勢を伝え、又、科学研究に対する信頼を保つためにも、ああいった演出映像はむしろ控えるべきではなかったかと考えます。


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