2017年11月22日水曜日

狡猾

勿論、更なる精査が必要ですが...

10月5日付、毎日の記事です。
愛知7区 山尾氏、1人で「討論会」 別の予定者は欠席 至学館大主催
至学館大学が衆院選を前に愛知7区の立候補予定者である民進党を離党した山尾志桜里氏と自民党鈴木淳司氏の討論会を開いたようです。

で、
鈴木氏はスケジュールを理由に欠席し、山尾氏単独で行われた。
とのこと。事実を記事にすれば、まぁ、そういうことなでしょう。なんとなく、鈴木氏が討論を避けたかの印象を抱かせる文です。”スケジュールを理由”という表現が、”スケジュールを理由として”、”スケジュールを盾に”を連想させるためでしょうか

同じ意味でも、”スケジュールが合わず鈴木氏は欠席となっため、山尾氏単独で行われた”とは与える印象が微妙に異なるような気がします。この文ならば討論を意図的に避けたような憶測は生じません。

事実はよく判りませんが、”スケジュールを理由に”という表現には意図を感じます

更に、至学館大学という場が果たして両氏が討論する場として公正な場か否かを鑑みた時、疑念が脳裏を掠めるわけです。該大学の学長は谷岡郁子氏で元民主党所属の参議院議員です。小沢一郎氏がかつて旧民主党に所属していた時、小沢氏の引きで民主党から出馬、当選した覚えがあります。

一方の、山尾志桜里氏も、”2009年、当時民主党代表だった小沢一郎にスカウトされ”民主党から出馬、衆議院議員に当選とあります。

現在、三人全てが旧民主、民進から離れていますが、谷岡、山尾両氏はいわゆる小沢チルドレンとして、旧民主党の政権奪取時、同じ政党に属する国会議員だったという認識です。単に席を並べただけなのか、同じ釜の飯を喰っていたのかは存じませんが。

やはり、山尾氏の対立候補である鈴木氏にとっては、討論の舞台となる至学館大学はアウェイである、とみるのは妥当な処かと。”虎穴に入らずんば虎児を得ず”との言葉もある一方、”飛んで火に入る...”も十分想定されます。

大学という政治不介入の場を装いながらも、真に中立か否かの疑義が完全に払拭できない舞台に催された討論会です。のこのこ赴いて山尾氏のイメージ戦略に利用されることもあり得ない話ではありません。

選挙戦略的に欠席は妥当な判断であり、”スケジュールを理由に”が口実であったとしても驚きませんし批判される話でもないと考えます。鈴木氏を支持、不支持はともかく、”まぁ、そういうことなんだろう”という受け止めです。

一方、山尾氏側にとって鈴木氏の欠席は何ら不利益はありません。むしろこの欠席を、山尾氏との討論から逃げた、と印象づける恰好の材料として利用できます。つまり、かつての同僚議員が学長を務める大学での討論会という企画自体が山尾支援に繋がっているということです。

穿った見方をして、むしろ鈴木氏の欠席を織り込んだ討論会だった、との勘ぐりも捨てきれないでいます。日程的に開催日ぎりぎりに参加を要請すれば山尾氏の一人舞台が作り出せます。憶測に過ぎませんが事実であれば卑劣この上ない印象操作です。

付け加えれば記事中の、
大学側によると、鈴木氏にも学生からの質問状を送ったが、4日午前までに回答がなかったという。
参加した4年生の竹内嘉奈子さん(22)は「国会で議論されていることを若者目線で分かりやすく話してくれてよかった。自民党の人がいなかったのは残念。いろんな意見を聞きたかった」と話した。
も唐突というか取ってつけた感を否めません。前者はどんな質問をいつ送ったか、質問状が届いたかどうかも不明なままです。”回答がなかった”、即ち、学生、有権者を軽んじていることを印象づけるための前置きのように感じられます。後者は山尾氏を持ち上げつつ鈴木氏の欠席を暗に批判、しかも名を出さず”自民党の人”という不自然な表現です。

メディアが自身の
主張を第三者に代弁させ、それが恰も大多数の市民の考えであるかの如く読者に同調圧力をかけていく...しばしば露見する印象操作の手口です。極まりない不快感を抱きます。

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