2021年4月10日土曜日

背反

――われわれは常に政治的に中立だ。政治問題にはノーコメント。――

新疆綿の自社製品への使用の有無、強制労働問題を巡る、柳井正ファーストリテイリング会長兼社長の応答です。当に利益至上主義者らしい物言いとしか捉えようがありません。儲かる側に立つという拝金主義は、政治的に中立には位置しません。単なる論旨のすり替えです。

対立する双方のどちらの側にも立たないというだけでなく、利が得られる側に与するという姿勢を、中立の語で象徴させることは不適切以外に言葉が見つかりません。

われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和の内に生存する権利を有することを確認する。 
われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけて、全力をあげて崇高な理想と目的を達成することを誓う。(憲法前文から抜粋)

時折、

”いじめの傍観者は加害者と変わらない”

といった主張を見聞するわけですが、利益至上主義の経営者が高く評価されている社会の中で、そういった考えの正当性はどう担保されているのか、整合性を欠いているように思えてなりません。

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