2018年6月16日土曜日

(進行中)上前4

前のエントリに続けて国保の保険料(税)、地方税、国税のキャッシュレス(クレジットカード)納付における手数料について考えます。

Yahoo!公金支払いを利用して国保の保険料(税)を支払う場合、納付先の市町村によって手数料が異なることが判りました。では、その他の市税、県税、国税ではどうでしょうか。調べてみました。

市税については愛知県内の市町村でYahoo!公金支払いが利用可能な市町村を、県税は
愛知県県税 クレジットカードお支払サイト
を、国税は
国税クレジットカードお支払サイト
を参考にしました。

上前3

前のエントリに続けて、国民健康保険の保険料(税)のキャッシュレス納付について記してみます。国民健康保険には市町村国保と職域国保に分かれるようですが、ここではキャッシュレス納付という観点から市町村国保についてのみ考えます。この市町村国保の被保険者が国保全体の被保険者の九割程度を占めています。

市町村国保の対象者は、農林水産業従事者、自営業者、被用者保険に該当しない非正規労働者、退職者、無職者であり、専業主婦・専業主夫、学生や未成年者等も含まれます。

(建設産業従事者、医師、歯科医師など、国保組合の設立が認められている同種の事業者、業務従事者は残り一割の国保組合の対象となるようです。)

市町村国保は事業の主体が市町村であることから、同条件の被保険者であっても市町村によって保険料は異なり、又、納付方法も全く同じではありません。

各市町村の定める保険料の納付方法が全く同一ではないことを記すために冗長になりました。

で、愛知県の名古屋市、春日井市、瀬戸市、尾張旭市、長久手市、安城市の場合について各自治体のサイトを調べてみた処、
1.納付書による納付についての説明が全くなく、恰も口座振替がデフォルトの納付方法であるかのように記載している自治体(名古屋市、瀬戸市、長久手市)
2.”納付書”の語だけは口座振替と並べて記載している自治体(春日井市、安城市)
3.”納付書で納める方法”として納付場所や取り扱い期限などの説明がある自治体(尾張旭市
と、自治体によってその説明に差異を感じました。勿論、便利さを強調して未納の恐れが少ない口座振替を推しているのは各自治体で共通しています。未納や納付忘れ低減や、事務経費の軽減国民年金の場合と同じ理由なんでしょうが、であれば同様に”クレジットカード納付でもいいんじゃないか?”という思いがもたげてきます。

いずれにせよ、自治体の与り知らぬ処かもしれませんが、口座振替と納付書利用の二つの納付方法があって、納付書利用の場合には現金、電子マネー、Yahoo!公金支払い(一部自治体)での納付が可能との記述はいずれの自治体にもありませんでした。

電子マネー、Yahoo!公金支払いというのもキャッシュレス決済の一形態ですが、そういった説明は自治体以外のサイトでしか検索できませんでした。巷間でキャッシュレス決済が喧伝されている中で、地方自治体は口座振替以外のキャッシュレス決済に対する地方自治体の極めて消極的な姿勢が覗えます。

さて、国民健康保険の保険料(税)のキャッシュレス納付についてYahoo!公金支払いが可能な長久手市を例にもう少しみてみます。

長久手市の場合、保険料(税)の納付方法は口座振替、納付書(現金/電子マネー/Yahoo!公金支払い)から選択できます。この中、電子マネー利用では国民年金の場合と同じくクレジットカードによるチャージで0.5-1.5%のポイント還元があります。Yahoo!公金支払いではクレジットカードの利用でポイント還元はあるものの支払い手数料が課せられています。この支払い手数料は長久手市の場合、
納付金額             納税者手数料 
   ~10,000円       54円(税込み)
10,001~20,000円     162円(税込み)
20,001~30,000円     270円(税込み)
30,001~40,000円     378円(税込み)
40,001~50,000円     486円(税込み)
以降10,000円増える毎に108円(税込み)ずつ加算
とのこと。興味深いのは納付金額が高額になるほど手数料率も高率になっていることです。例えば10,000円の納付では0.54%の手数料率ですが、40,001円の納付では1.21%と、二倍以上です。手数料でも手数料率でも一律ではなく、納付金額が高額になるほど手数料負担が大きくなっている、というのも理解に苦しむところです。

で、手数料負担ポイント還元を合わせた収支について云々するつもりは全くありません。ただ、手数料が必要という点について考えてみます。

国民健康保険では納付金は、自治体によって保険料とも保険税とも称されています。”税”的性質を考慮するならば、Yahoo!公金支払いを利用することで、Yahoo!やおそらくクレジットカード会社に支払う手数料分、国保財政が目減りします。そのため、手数料分全てかどうかはともかく納付者に一定程度の手数料が課せられているなだろう、と容易に受け止めることができます。

保険料(税)が同額の被保険者ならば納付方法に依らず等しく国保財政を支える、として手数料を課す理由が理解できないわけではありません。

しかしながら、そうであるならば、前のエントリで記した国民年金はどうなんだという話になります。Yahoo!公金支払いの利用において手数料を課し、国保の被保険者に対し等しく応分の負担を求める姿勢と、クレジットカード利用による国民年金保険料の納付で、年金資産からカード会社への手数料支払いが生じ、結果として国民年金原資の減損を容認する姿勢は、符号していないように受け止められます。国保財政運営の責任者である都道府県と日本年金機構とで社会保障に対する姿勢が一致していない、ということです。

加えてその一方で、国保の保険料(税)納付をクレジットカードチャージした電子マネーを用いてコンビニ窓口の納付書で行うと、カード会社への手数料支払いによる国保財政の流出と共に被保険者負担の不平等化が起きてしまいます。

財源に対し相応する負担を納付者に等しく求めるのか、おそらく納付率を上げるためにインセンティブを用意して不平等性を容認するのか、社会保障を担う公的機関としての姿勢を強く問いたいところです。

又、Yahoo!公金支払いによる国保の保険料(税)納付に手数料が課せられるという点について、既に記したように飲食店や物販店等、いわゆる民間業者ではカード会社との契約違反とされています。

民間業者に対しては一物二価を禁止する一方で、Yahoo!公金支払いによる国保の保険料(税)納付では堂々と手数料を課すというのも、それはそれで違和感を覚えます。タブルスタンダードでアンフェアです。

言い分として財源を毀損させないとか、納付者間の公平性を保つという理屈は判らないでもありません。しかしながら、それでは何故民間業者の場合のみ、決済手数料で業者の利益を圧迫し、或いは、現金払い客とカード払い客間の不公平を生む契約をカード会社から強いられなければならないのか。

換言すれば、これはカード会社による公の優遇という官民差別ではないかという見方もできるわけです。

さて、面白いことにYahoo!公金支払いを利用して国保の保険料(税)を支払う場合、納付先の市町村によって手数料が異なっています。愛知県内の市町村で、例えば2,5000円の保険料(税)を納付する際、税込みで
216円(一宮市)〜259円(蒲郡市)〜270円(春日井市、安城市、長久手市)〜324円(東郷町)
といった差があります。

この違いについて、他の地方税、国税のキャッシュレス(クレジットカード)納付と併せて次のエントリで考えてみます。

2018年6月12日火曜日

(進行中)翻弄

一つ問題が解決したので備忘録として。随分時間を要しました。

記録、見守り、遠隔監視、防犯用途を想定してRaspberry Pi(ラズパイ)を弄っているわけですが、ドライブレコーダのように、ネットに接続しない/できない環境でラズパイ ゼロとカメラを使う状況を想定します。



このような環境では、最初に撮影条件や動画の保存スペースの制御、動体検知の感度等を設定しておいて、電源投入で自動起動させればいいわけです。

ただ、やはりカメラの設置位置、角度を決めたり初期動作の確認のためにモニターと接続できないわけにはいきません。

そのためには使用現場で一時的にでもノートPC、タブレット、スマホなどから、ルータを介さずラズパイに接続できる状態を確立しておく必要があります。

継続的なモニタリングならば小型LCDを接続したり、電源が確保できるならば有線でデスクトップPCと接続しても構いませんが、遠隔モニタリング、電源のない屋外使用、ラズパイ内のシステム変更という観点から、上記モバイル機器の利用が好適かと。

以前のエントリで修理し、ラズパイとのssh接続が確認できたAmazon Kindle Fire HD8ならこの用途にうってつけ、と考えた次第です。

未だ進行中で右往左往していますが、これまでの嵌った部分を記しておこうかと。

下図が目標としている接続状態です。屋外⇔屋内で動的に切り換わるのが理想です。外付けの無線LANアダプタ取り付けと再起動程度で切り換わって欲しい処です。

屋内部分は既に実現できていますから、屋外使用時の設定を追加していけばいいのですが....

苦難が続いています。

屋外使用時の設定は、ラズパイにKindle Fire HD8から直接接続できる設定ということになります。これは両機器間にアドホック通信を確立するか、若しくは、ラズパイにアクセスポイント(AP)機能を付与することで実現できます。

取り敢えずKindle Fire HD8の代替として、ssh接続でラズパイの設定に使用しているノートPCを用いてラズパイとの直接接続を試みました。

当初の目論見ではラズパイにアクセスポイント(AP)化するつもりでした。新たなパッケージをインストールして様々な設定を行う必要があるものの、多くの方々がAP化を既に実現済みでネットから豊富な情報を入手できる、ノートPC、Kindle Fire HD8側の設定を弄る必要がない、といった理由からで、まぁ、なんとかなるかな、と安易に考えていました。

ところが、無線LANアダプタにAP機能を付与するhostapdのインストールでいきなり躓きました。
$ sudo apt-get install hostapd
でhostapdがインストールできない、というかシステムであるraspbianのサイトに存在しない(?)ようでした(hostap+Tabキーで何も現れず)。

やむを得ず、アドホック通信へと方針を変更しつつ、しばらく放置...



その後、放置中に試してみた処、インストールできました。RaspbianがJessieからStretchへとバージョンアップした際、インターフェイス名としてMacアドレスを使うように変わり、eth0やwlan0といったネットワークインターフェイス名がなくなたようです。しかしながら、その使い難さから再び元の方式に戻った模様。おそらく、その辺りのネットワーク接続の様式変更で過渡的にhostapがインストールできなかったのでは、と推測しています。

で、ネットからの情報を元にhostapdとisc-dhcp-serverをインストールしてAP化へと弄り始めました。この時点では結果として上手くいきませんでしたので概略のみ記します。

ラズパイゼロWにUSB接続の無線LANアダプタを接続して、まず/etc/dhcpcd.confを


#denyinterfaces wlan0

interface wlan0
static ip_address=192.168.1.11/24
static routers=192.168.1.13
static domain_name_servers=192.168.1.13

interface wlan1
static ip_address=192.168.0.10/24
static routers=192.168.0.1
static domain_name_servers=192.168.0.1
としました(一部抜粋)。wlan0が屋外でKindle Fire HD8と直接通信し、wlan1は屋内でルータを介してPC他と通信するインターフェイスと想定しています。ラズパイを再起動してifconfigでwlan0 、wlan1を確認すれば各々192.168.1.11と192.168.0.10のIPアドレスが割り当てられていました。通信はwlan1が使われてルータ経由でPCと通信している状態です。

8.1.11/24
#static routers=192.168.1.13
#static domain_name_servers=192.168.1.13

interface wlan1
static ip_address=192.168.0.10/24
static routers=192.168.0.1
static domain_name_servers=192.168.0.1
としました。wlan0のIPアドレス固定化を/etc/dhcpcd.confから外し、/etc/network/interfacesに担わせることを意図してのことです。
auto wlan0
allow-hotplug wlan0
iface wlan0 inet static 
address 192.168.1.11 netmask 255.255.255.0
static routers=192.168.1.13
static domain_name_servers=192.168.1.13

記述。

autoとallow-hotplugの併記もおかしい気がしますがwlan0とwlan1の内蔵、外付け無線LANアダプタへの割り当てられ方と共に後で考えようかなと。

次いで/etc/hostapd.conf、/etc/dhcp/dhcpd.confを取り敢えず適当に設定して再起動した処...
$ sudo reboot
ssh接続ができなくなってしまいました。
ssh: connect to host 192.168.0.10 port 22: Connection refused
ルータ経由でラズパイゼロWにwlan1(外付け無線LANアダプタ)で接続する腹づもりでした。接続できないことを全く想定しなかったものですから、ssh接続でラズパイにアクセスする手段を失ってしまいした。ssh接続でpcから上記各設定ファイルを修正することのみならず、再起動、源オフですら不可となってしまったわけです...

にっちもさっちも行かない状態に陥りました。強制的な電源オフ、即ちACアダプタのスイッチ遮断とか電源ケーブルを抜く以外なす術がない状態です。

強制的な電源オフをを余儀なくされ、さて、ssh接続できなくなったラズパイゼロWをどうするか...ラズパイにモニタとキーボードを接続して/etc/dhcpcd.conf、/etc/network/interfaces他のファイルを修正するのが常套的な方法ですが、ここではラズパイからマイクロSDカードを取り外しPCにマウントして変更前の状態に戻しました。単にこの方が手っ取り早かったというのが理由です。

こうなるとhostapdやisc-dhcp-serverの設定の適否という話ではなくそれ以前の問題です。

2018年6月2日土曜日

上前2

前のエントリで記したクレジットカード決済の手数料に纏わる話を、先述の国民年金の保険料支払いに当て嵌めてみます。

クレジットカードを使用した場合の保険料の納付額は現金の場合と同額ですから、クレジットカードの規約には抵触していません。

ただクレジットカードによる納付では、納付額の一定割合が手数料としてカード会社に支払われているのは明らかです。納付者に0.5-1.5%のポイント還元があることがその証左です。

ここでレジットカードを利用した納付者は、ポイント還元がある分現金納付者より優遇されている格好になります。それはそれで不公平感が醸し出されるわけですが、そこだけに留まらない問題があると考えます。

クレジットカードにより日本年金機構に納付された保険料は、現金納付の場合と同額であってもそこからカード会社への手数料が支払われます。年金原資に充当される額は現金納付の場合より手数料分だけ少なくなるわけです。

年金の受け取り額を含めた受給条件は、現金で納付しようがクレジットカードで納付しようが同じです。従って、カード納付の件数が増加するに従って手数料支払も増加し、結果として加入者全体の年金原資が減少します。現金で保険料を納付している加入者もこの影響を受ける、ということです。不公平感は否めません。

では、口座振替とクレジットカード納付ではどうでしょうか。2年前納の場合で較べてみますと、各々378,580円(現金納付、クレジットカード納付)、377,350円(口座振替)と、口座振替が優遇されています。現金納付とクレジットカード納付で金額が同額というのは確かにカード会社の規約に沿っています。しかしながら、その一方で、同じキャッシュレス支払いとみなすことができる、クレジットカード納付と口座振替で納付金額に差が生じていることに釈然としないものを感じます。システムは異なれど、共にネットワーク上で口座間の資金移動(数字の付替え)という操作に過ぎませんから。

納付先である年金機構は、(一番おトクな納付方法)として口座振替を推奨しているように見受けられます。機構としては意図/偶々に関わらず、保険金の未納や納付忘れ低減や、事務経費の軽減のためなんでしょう。ただ、そういった目的ならばクレジットカードによる納付でも同じ役割を担えるはずで、口座振替のみが優遇される理由を推し量れません。

成る程、前のエントリで記したようにクレジットカードによる納付は、保険金をカード会社が一時的に立て替えていて加入者の銀行口座から引き落とされるまでは融資という扱いなのかもしれません。口座振替では振替日に納付金が銀行口座から直ちに引き落とされます。

しかしながら、カード納付の場合であっても年金機構の立場からは取りっぱぐれてはいないわけです。立て替え分はカード会社が納付者の口座から引き落とすか、できなければ債権としてきっちり回収するでしょうから。

共にキャッシュレスの前納であっても口座振替にのみ優遇割引があり、クレジットカードによる納付では優遇を受けられない、というのも整合性がとれていないように感じます。

ところが、ここから話をややこしくしているのがカード利用によるポイント還元の存在です。口座振替で優遇される割引額は2年分前納で1230円ですが、例えば1%のポイント還元のあるクレジットカードを利用して納付すれば、3785ポイントが還元されるわけです。ポイントを円換算して考えると、クレジットカード納付の方が却って優遇されることになり、これまでの話がひっくり返ってしまいます。

一時的にカード会社が立替え、即ち納付者が借用して保険金を納付する形となるカード利用の方が、直ちに銀行口座から引き落とされる口座振替より(ポイント還元を含めれば)低額になる...

おそらくこの仕組みはカード会社に支払われる手数料にあるのだろうということは容易に推測できます。ポイント還元分と、それを差し引いてカード会社に残る実質的な手数料の合計がカードの手数料として支払われれば辻褄は合います。

このあたりの手数料率は明らかではありませんが、加入者全体の年金原資を蝕んでいるとみて間違いないのではないでしょうか。

勿論、口座振替であっても引き落とし手数料は納付者が間接的に負担しているわけで、こちらも不明朗です。公的年金の制度である以上、納付した保険金の中、年金原資として運用に回されるのはどの程度の比率なのか、透明性の向上が図られるべきと考えます。

では、国民年金に並ぶ社会保障制度である国民健康保険の場合はどうでしょうか。


次のエントリに続けます。

2018年5月27日日曜日

上前

ここ最近、”キャッシュレス”の語をしばしば見聞します。
キャッシュレス  【cashless】銀行口座への振り込みやクレジット-カードによる支払いなどのように,現金のやりとりなしで決済がなされること。
加えて、プリペイドカード(Vプリカ,JCB,LINE Pay等)、デビットカード(Visa,JCB等)、電子マネー(nanaco,Suica,WAON等)といった新規格もキャッシュレス決済のツールであり、もう、何が何だかといった様相を呈しています。様々な態様があるわけですが、現金で、或いは銀行口座から事前に入金、支払いと同時に銀行口座から引き落とし、クレジットカードが仲介することによる事後払い、といった分類になるでしょうか。ですから、電子マネーと言っても現金で入金すれば前払い型ですし、クレジットカードで入金すれば事後払い型になります。

PayPalもあくまで決済手段であって、銀行口座からPayPal口座に入金すれば前払い型(米国のみ)で、クレジットカードで入金すれば事後払い型ということです。

飲食店で食事後、或いは、スーパーで商品をカゴに入れた後、”キャッシュレスだからと言ってそのまま店を出てはいけないことは、辛うじて理解できました。

このようなキャッシュレス化は、先日、NHK クローズアップ現代+でも取り上げられていましたし、
現金お断り”で暮らしが激変!? ~追跡・キャッシュレス最前線~
経産省からも
キャッシュレス・ビジョン
というキャッシュレス化を促進する資料が公開されています。

決済のキャッシュレス化が注目される中、それに歩調を合わせるかの如く、国民年金保険料等の社会保障費、自動車税や固定資産税等の地方税、所得税等の国税のクレジットカードや電子マネーによる納付が可能になりつつあります。

ただ、社会保障費や税金のキャッシュレス納付は既に銀行の口座振替制度によって実現されています。最初に口座振替の手続きさえしてしまえば、期日までに必要な納付額を銀行口座に入金しておくだけで後は自動で引き落とされ、納付の手続きが進められていきます。ですから、これまで口座振替以外に選択肢がなかったキャッシュレス納付に、新たな納付方法が現れてきた、というのが実の処でしょう。

口座振替を利用するには、銀行窓口に書類を提出したり、手続き完了までに時間がかかるといった煩わしさはあるものの、それは手続き完了までの話です。完了後の納付に関わる手間は大きく低減されますから、この制度は相当程度利用されているはずです。

では、何故口座振替以外にキャッシュレス納付の手段を増やそうとするのか、ここの部分はよくわかりません。転勤、転職、その他で住所が頻繁に変わる層に向けて、という理由しか思いつきません。単に多様な納付手段を用意して納付者の利便性向上を図る、といった程度の目的なんでしょうか。(実はカード会社や電子マネー運営会社、及び、納付先の事情では、と推測していますが、それはいずれ別エントリで記します。)

さて、口座振替を除くキャッシュレス納付についてです。地方自治体納付分については、クレジットカード取り扱い自治体は拡大しているものの、未だ全国全ての自治体で可能にはなっていないようです。ただ、Yahoo!公金支払いのようなようなインターネットサービスとクレジットカードの組み合わせ、或いは、上記電子マネーやプリペイドカードを使用したコンビニでの納付書払いを含めれば、公金全てのキャッシュレス決済はほぼ実現できているのではないでしょうか。

ここから本題に入りますが、社会保障費や税金をキャッシュレス納付する際において、現金納付やキャッシュレス納付の方法の間で割引率が異なったり、クレジットカード払いでは手数料が課せられる場合もあることに違和感を覚えたわけです。

いくつか例示してみます。


国民年金の保険料

期間をまとめての前納や幾通りかの納付方法があって判り難いので、平成30年度被保険者の1カ月当たりの保険料16,340円で考えます。

          (単位:円)   
1.納付書による現金納付:16,340
2.納付書による電子マネー納付:16,340
(クレジットカードによる電子マネーのチャージで0.5-1.5%のポイント還元あり。)
3.口座振替 毎月納付:16,340

(翌月末の納付期限に前月分保険料を引落し)
4.口座振替 早割:16,290
納付期限より1カ月早く口座振替
=当月保険料を当月末引落し
現金納付には未適用
5.クレジットカード:16,340
(毎月末日に当月分の保険料をカード会社が立替納付。
クレジットカード利用による0.5-1.5%のポイント還元あり。)

2年前納では、393,000円[(16340+16410)*12]が、378,580円(現金納付,クレジットカード納付)、377,350円(口座振替)
でのお支払い)となっています。

つまり、納付額だけを見れば、現金納付でもクレジットカード納付でも額は変わらず、割引優遇されるのは口座振替ということです。クレジットカード利用によるポイント還元も円換算して加味すれば、カード利用は現金納付額から0.5-1.5%の割引が受けられることになり、現金納付より優遇される仕組みになっています。


クレジットカードの決済手数料上乗せ

少し話を外れます。クレジットカード決済に関し、今でも時折衆目を集める話題として”決済手数料上乗せ”があります。

最近では、飲食店や物販店で精算にクレジットカードを使用する際、店側から決済手数料を上乗せ請求されることは少なくなってきたと実感していますが、以前は珍しくありませんでした。個人経営の店だけでなく、そこそこ名の知れたパソコン販売のチェーン店でも経験しています。

物販についは、現在では実店舗での決済手数料請求はほぼなくなってきたのかもしれません。おそらく、クレジットカード決済が至極一般的であるインターネット通販の隆盛によるものです。

飲食店についての現状はよく判りません。以前は、偶々入店した店で”クレジットカードご利用の場合は***%の手数料を申し受けます”などといった掲示を見たものですが。(この理由ではなく)再訪していないので現在の取り扱いについては知りません。ここ最近訪れる飲食店は、元々クレジットカードの非加盟店か、或いは手数料を請求されない店ばかりですから。

クレジットカード利用客への手数料上乗せについては、”クレジットカード”、”手数料”、”上乗せ”、”加算”、”規約違反”といった語で容易に情報を入手できます。ただ、殆どはクレジットカードの総合的な解説サイトです。かつては手数料上乗せ、利用金額の制限、あまつさえ利用拒否といった塩対応をした店の実名告発のようなサイトも目にしましたし、食べログの店舗情報に手数料が必要だったり、利用制限がある旨堂々と記載されていました。最近では、
日テレ・スッキリ、クレジットカード規約違反状態の店を放送か「一定金額以上で使用可にして売上増」とメリット説明
といったサイトも見つかりましたが、手数料上乗せ店の増減は不明です。

このカード加盟店のカード利用者への手数料上乗せ請求は、利用金額や時間帯による利用制限と共に、店がクレジットカード加盟店としてカード会社と契約する際の規約違反に当たります。但し、法律に抵触しているわけではありません。

JCBカードで加盟店規約の第11条2項で、
加盟店は、有効なカードを提示した会員に対して、商品の販売代金ならびにサービス提供代金について手数料等を上乗せする等現金客と異なる代金の請求をすること、およびカードの円滑な使用を妨げる何らの制限をも加えないものとします。また正当な理由なくして信用販売を拒絶し、代金の全額または一部(税金、送料等を含む)に対して直接現金支払いを要求する等、会員に対して差別的取扱いは行わないものとします(下線入れました)
と規定していますし、
三井住友カードでは、加盟店規約第4条(信用販売)1項に、
加盟店は、会員が、カードを提示して、物品の販売、サービスの提供、その他加盟店 の営業に属する取引を求めた場合は、本規約に従い、現金で取引を行う顧客と同様に、 店頭において信用販売を行うものとします(下線入れました)
とあります。

ここで明確にしておくべきことは、カード利用者への手数料上乗せという行為が単に規約違反に当たるということではありません。クレジットカードの利便性にただ乗りした欺瞞行為であるという点が指弾される根本です。

真偽はともかく、一般にクレジットカード決済の店への導入は、集客向上、客単価上昇、現金管理の手間削減といった利点があるとされているようです。

店の選択においてカード利用による優待やポイント還元などのカード取扱店を選好させる仕組みに加え、負担を先送りしようとするヒト本来の心理に基づく、想定以上の消費機会出費の増大を喚起させる効果があるのでしょう。そういった効果の対価として店がカード会社に上納する手数料が設定されているわけです。

カードの利用者は、上記規約を承知しているか否かに依らず、それまでの殆どの店でのカード利用の経験から、現金支払いの場合と同条件でカードの利用ができるつもりでいます。物販店であれば会計の際、カード利用で手数料を請求されれば購入をキャンセルすればいいのですが、飲食店では通常食後に会計しますから手数料を加算してカードで決済するか、現金で支払うかの二択です。手持ちが心細ければカード決済一択となります。或いはスマホで振り込むか...

確かに、飲食店でカード利用額の5%とも言われるカードの手数料率が高率であるのは間違いありません。個々の店で状況は異なるのでしょうが、その手数料分を集客増と客単価上昇でどこまで補えているか興味のある処です。で、実際店側はどう対応するかというと、カードの手数料分を加算した価格に改訂する、カード会社との契約を打ち切る、のいずれかの選択になります。カードの手数料分を加算した価格に値上げして現金支払いの客にもしわ寄せするか、上記カード決済導入による効果を放棄するか、ということです。前者で、割高感を生じ客離れが起きるのか、後者で客離れや客単価の低下を甘受するのかは個々の店の特性や判断という部分に帰結するのでしょう。

では、カード決済者に個別に手数料を請求することが妥当なのかというと、そういう話でもありません。該規約違反は上述のようにカード利用客を誤認に導き規約外の手数料を負担させられますし、規約を遵守している他店との公正な競争を阻害することになりますから。

まぁいずれにせよ、カード会社との規約の下、クレジットカードの利用客は現金支払いの客より優遇されている、言い換えれば現金支払いの客が冷遇されていることには相違ありません。

どうすべきという話に触れるつもりは毛頭なく、あくまで各々の店の経営判断に依るわけですが、合理的で整合性ある説明は求めます。

ちなみに同じ規約違反であっても、”現金支払いの場合には手数料分値引き”とした方が好印象の気がします。ただ、残念ながらこれまでそういった店にお目にかかったことはありません。

ここで話の逸れついでに、上述の飲食店でカード利用額の5%とも言われる手数料率について、カードの機能である決済代金の立替、貸付の視点から考えてみます。(一回払いの場合のみです。)

飲食、物販その他のカード取扱店は、月毎にカードで決済された代金をカード会社から受け取ります。手数料が差し引かれての額であるのは言うまでもありません。一方、カード会社は月毎にカード利用者の銀行口座から一ヶ月間に決済された利用額を引き落とします。

つまり、店でカード決済が行われてカード利用者の銀行口座から利用額が引き落とされるまでの間、カード会社は利用額を立替、貸し付けている形になります。貸付先は本来カードの利用者ですが決済により店に支払われますから利用者の手元に滞留することはありません。この時の手数料が貸付金利に相当するとみなすことができ、その負担は店側が負うと、こんな構図でしょうか。ここでカード会社の貸付期間は1〜2ヶ月でしょうから1.5ヶ月としてみますと1.5ヶ月の融資期間で5%強の利息が生じていることになります。年利に換算すれば...
42%???
俄には信じられない数字です。日銀の市中銀行への貸出がゼロ金利とかマイナス金利とか騒がれている中でこの数字はなんなんでしょうか。暴利以外に受け止めようがない驚きの数字です。


話を戻しつつ次のエントリに続けます。

2018年5月26日土曜日

米朝

米朝会談中止の報道で、ベイチョウカイダンの音を耳にして、桂米朝の怪談話が脳裏を過ったのは自分だけではないはず、と思いたい。

2018年5月18日金曜日

枯渇

電子番組表を見る。コンテンツのあまりの貧弱さにリモコンを持つ手が固まり、番組表をしばし凝視...

クローズアップ現代+も質にムラがありますし。録りためているBS 世界のドキュメントを観終えたら、放送大学を見始めてしまいそうです。