2015年9月27日日曜日

欧州

――身贔屓――
どこの国もそうなんでしょうが、EUはわかりやすいなぁと。

VW(フォルクスワーゲン)の排ガス不正事件で、新たな事実が次々露になっています。

で、今度は
EU、2年前にVWの不正把握か 規制運用問われる
と、自動車会社一社に留まらず、複数の自動車会社、部品会社に、遂には規制側であるEUに延焼しつつあります。近年稀に見るワールドワイドな企業不正が官側とのなあなあ、ずぶずぶの問題に発展していくのでしょうか。

影響は計りしれません。
――EUではこうしたソフトは07年から違法になっていたが、...――
早い段階で収集を図っていればここまでの大事に至らなかったのかもしれませんが、無理だったのでしょう。

初期消火が重要なのは言うまでもないことですが、その失敗例は枚挙に暇がありません。
――音楽が続く限りはダンスをやめない――
自らは自身を止められません。

最大2兆1600億円とも言われる制裁金、約1100万台という不正車両の対策費用として約8700億円の引当が表に出ている数字です。で、所有者に対する下落した車両価値、投資家に対する毀損した企業価値の補填も求められると...一部訴訟は始まっているようです。環境基準不適合車というレッテルが貼り付けられるわけですから、中古車の買い手も...結局VWが引き取るのでしょうか。
エコカーの名の下、政府が購入補助金を交付していようものなら、返還を迫られるのも必至でしょう。詐欺同然ですから。

VW製自動車が販売不振に陥るのみならず、VWに排ガス浄化システムを納入しているボッシュも...となればボッシュの該システム使用している他の自動車メーカーも...との推測は難くありません。

では、競合の排ガス浄化システムを製造しているデンソー、該システムの供給先であるマツダ、トヨタ、ボルボのシェアは拡大するのか、興味深いところです。

ただ、EUの規制当局ぐるみ甘い基準、見てみぬふりで承認を続けてきたのであれば、ディーゼルカー全体に問題は波及します。どうなんでしょうか。

ディーゼルカー全体が不人気となれば、軽油とガソリンの需給バランスも変わります。ガソリン価格は上昇するのでしょうか。実際、排ガス浄化システムに触媒として使用されるプラチナの相場に影響が出始めている模様です。
VW問題に貴金属市場が動揺…プラチナ価格の下落率は2年間で最大に

(ボッシュは、不正のツールとなったソフトは、開発段階に使用するものであって、製品自動車への搭載、使用が違法である旨を2007年に警告していたようです。H.27.9.28)

当然、ドイツ国内の雇用や経済環境への影響も避けられないかと...

従業員数が約60万人の超大企業VWで、ドイツ国内では全雇用の1.5%、約27万人が雇用されてます。又、昨年のドイツの自動車産業全体の労働者数は77万5000人で、全労働者数の2%に近いとのこと。(別々のソースからの数字です。全雇用者数と全労働者数を逆算しても一致しません?)

ドイツはGDP(国内総生産)の中で輸出が約50%で、更にその18%を自動車・自動車部品が占めているようです。

穏当な幕引き想定するのは難しいんじゃないでしょうか。


ここで少し話を逸れます。

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