年に数回スカイラークグループの店で昼食を摂ります。同グループの優待券を譲り受けることがしばしばあって、遅い昼食の際、該券を消化する目的で訪れています。
同グループはいくつかの外食チェーンを擁していますが、その中で赴く店はほぼしゃぶ葉かから好しに限っています。これはそれ以外の店では、料理の質が価格に見合っていない、というのが理由です。特にガスト...長居するにはドリンクバーは便利なのかもしれませんけど。
そんな中、肉についてはどうでもいいのですが、とにかく野菜をたっぷり摂ることのできるしゃぶ葉か、手っ取り早く定食の体で昼食を済ませられるから好し、という選択になった次第です。
スカイラークグループではよくある話ですが、他社である業態が好調になると、追随というか模倣した業態の出店を始めます。やや劣化してですが。記憶にあるのは、いきなりステーキとステーキガスト、大戸屋とおはしでガスト、サイゼリアとグラッチェガーデンズといった処でしょうか。焼肉は焼肉で何かあったような。
勿論、から好しにも当て嵌まる話で、店舗の拡大が目覚ましい、からしげやからやまの後追いであることは間違いないとみています。価格面では後発ですから先行他社を上回る設定は難しいと思われ、少なくとも看板メニューのからあげ定食は三社横並びです。それでも、大手外食チェーンで提供される定食としては価格訴求力があるというか、割安感が受け入れられて三社とも店舗数増加に勢いがあるように見受けられます。
で、まぁ上記理由から、から好しを運営するスカイラークグループとからしげのアークランドサービスの間で訴訟になっているようです。
「かつや」運営社がすかいらーくを訴えたワケ
※全国の約40店舗(空港、駅・遊園地・サービスエリア・大都市圏の一部店舗)では価格が異なります。該当店舗はこちら。
1.後発、模倣で、ファストフード形態の、低価格唐揚げ専門店を始めた処、繁盛した。
2.出店を拡大したいが、自社の高コスト体質のため店舗数を増やしても利益に繋がらない。だからといって価格の引き上げは競合店との価格競争の点で難しい。競合他社からの訴訟の行方も懸念される。
3.既に他店舗展開しているガスト内にから好しを取り込もう。一気に店舗数が拡大する。その際、価格を引き上げておけば利益にも繋がる。ガストの業態はファストフードではないから価格設定を引き上げても受け入れられるだろう...
こういった経緯で意思決定が為されたんじゃないかと憶測しています。これがあながち外れてはいないとするなら、それこそがスカイラークグループの経営不振というかダメな理由ではないかと考えます。
ファミレスのガストとファストフードのから好し、同じ料理の提供でガストの方が高価格である理由が見当たりません。業態、サービスの差と言われても違いを実感できず、利益増を図った、と捉えるのが妥当な気がします。ちなみにから好しではセルフサービスですが水とお茶が用意されています。ガストではタッチパネルでから好しのメニューを注文後、
”ドリンクバーで水をどうぞ”
と表示されます。から好しでは各テーブルに用意されていたマヨネーズやドレッシングも、漬物類の小壺もガストには見当たりませんでした。まぁ、これは新型コロナ感染の恐れを減じるためかもしれませんが。
から揚げ定食が目当てであれば、から好し単独店か、他チェーンの唐揚げ専門店に行くでしょうし、ガストの来店客はわざわざ上乗せ価格のから好しメニューは選択しないだろう、との見立てです。
つまり、この新しい取り組みは、ガストでから好しメニューを選択する動機を生み出すようなものではなく、むしろ動機消失させるようなものではないかと。こういった顧客視点を欠いた企画というのは、先述の後追い、模倣体質と共にスカイラークグループらしいなぁと思った次第です。
尚、記していて気づきましたが、ガストから徒歩圏内の勤め人、学生あたりのテイクアウトに的を絞った企画としてなら、或いは効果的なのかもしれません。それが主目的だったのでしょうか。それでも一物二価状態は変わりません。というかテイクアウトの場合の方が更に価格差の説明がつきませんけど。
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