2020年9月20日日曜日

負担

――大臣が各省でやれば今頃はもう終わって、みんな寝ている。前例主義、既得権、権威主義の最たるものだ。こんなものはさっさとやめたらいい――

これは、菅義偉内閣の初閣議後行われた各閣僚の初会見での河野太郎新行政改革担当大臣の言葉です。新閣僚が官邸に待機して午後11時ごろからリレー形式で行われた会見方式に苦言を呈したわけです。

この発言に橋下徹元大阪府知事や田村憲久厚労相等から賛同の意見が表明されています。どうでもいい話なんですが、20人の新閣僚が各省で会見するならばメディア各社は現在の20倍の資源を会見の取材に投入しなければならなくなります。

メディア各社と合意できるのでしょうか。まぁ、行政改革が河野大臣の職務であって、行政組織を効率化した結果生じる負担はメディア各社に押し付けても構わないということかもしれません。メディアの効率化は大臣の職務外ですから。

トータルの負担軽減にどれほど効果があるか疑問です。

やはりですね、各大臣が自らの所信をブログなりユーチューブで開陳すれば最も効率化が図れるのではないかと。各大臣が会見動画を作成して公開すれば、所信はメディアを介さずとも国民に直接届きます。編集で内容が歪曲されるリスクも軽減されます。質疑は掲示板でもツイッターでも双方向性が確保されたツールで賄えます。

そうなると、メディアが不要になって社会全体の効率化が進むわけです。前例主義、既得権、権威主義の打破は行政組織の改革だけでは困難です。前例主義、既得権、権威主義を利用した持ちつ持たれつの相補的関係が厳然とあるわけで、一方を正せば相応して他方も正されるのか、或いは正そうとしても他方からの介入によって暗礁に乗りあげるのか、興味深い部分です。

0 件のコメント:

コメントを投稿