2020年4月14日火曜日

独自

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、愛知県の大村知事が独自というか、勝手な緊急事態宣言を発出しました。
――現時点で愛知県、その他の自治体を加えるべきだとの評価に至っているとは聞いていない――
(菅官房長官)
とのことですから、より的確な”勝手”という表現で脳内変換されています。

まぁ、理由は
愛知県の大村秀章知事は2日、新型コロナウイルス対策を巡り、政府の専門家会議が同県など5都府県の医療体制が切迫していると指摘したことに「十二分に対応できる。事実を踏まえない発言は大変迷惑であり遺憾」と反論し、厚生労働省に抗議したことを明らかにした(中日新聞)
こんな処だろうと。で、狸vs.狐の面子の潰し合いとか意趣返しはどうでもいいわけですが、国の後追いではなく、先んじて大村知事が緊急事態宣言を出していたならば、当に”独自”と評価しました。その先見性というか危機管理能力があったとは思えませんけど。

それは先般の豚コレラ感染拡大時の知事の発言を思い起こさせます。この事案で後手に回った経験を真摯に糧としておけば、”感染”という危機への対応力の向上もできなかった話ではない、と考えます。
転んで負傷して傷が癒える前に再び躓く
そんな印象が拭えません。

そうなると、何が愚を繰り返させるのか、という話になってくるわけです。が、先手を講じることは不可能で、後手に回って被害は”避けられない”というのが現実です。

残念ながら、大きな被害が出ていない段階で、将来の不確定の被害、損失を回避するために、自らが進んで眼前の損失を選択することは極めて困難です。当然、利害関係者からの圧力にも曝されます。

偶々、

屋久島への移動自粛要請に観光業者「撤回を」…町長「命が最優先」
石川知事、一転来県自粛を
といった記事を目にしたのですが、まぁ、そういうことです。全国的に感染拡大中であってもこういった圧力が生まれるわけですから、感染が報告され出した初期に移動制限や営業自粛を要請することなどできないだろうと。

更に、あくまで仮定の話として、中国 武漢で新型コロナウィルスによる感染爆発発生の情報を受けて直ちに入国規制等の対策を講じ、これが功を奏したとします。

危機を予測し、適切、或いは過剰かもしれない対策によって感染の拡大を抑え込んだ、大事に至らなかった、という状況を想像してみます。この収束後、間違いなく批判や不満の声が噴出します。牛刀を以て鶏を割いた、と。

習近平 総書記の訪日は実現可能だったんじゃないのかとか、東京オリンピックも開催できたはずでは、から始まって責任論というか責任者探しへと進むであろうことは既定の流れです。

事なきを得た後で、”やり過ぎだった”、”そこまでの対応は不要だった”、”収束させるために支払った代償は余りに大きかった”、挙句には”そもそもコロナ渦なんて大したことなかった”そんな文言が飛び交うわけです。

水際対策が効果的だったのか、脅威を過剰に捉えていたに過ぎなかったのか、各々の立場を有利にすべくマウンティングというか、中傷合戦が始まるであろうことは想像に難くありません。

そう考えれば、負担や損失を強いる対策を強硬に発動することに否定的となることも頷けます。初動は常に遅れ、当に歴史は繰り返すという文言が符合するわけです。

ついでに、

首相、布マスク配布は「合理的」 野党の対応遅れ指摘に反論
の中で、布製マスク2枚の全世帯配布を、非常に有効で理にかなった方策と述べ、緊急事態宣言などの対応が遅いとの指摘に対し、”諸外国と比しても、わが国の対応が遅かったとの指摘は当たらない”と反論したとのことです。

自身の正当性の主張、”間違ってない”との強弁は、”同じ愚を繰り返します”との宣言と何ら変わりません。

0 件のコメント:

コメントを投稿