2019年5月10日金曜日

補修 その後

以前のエントリで補修した万年筆のその後です。使用しているとやはりインク漏れが再発しました。UV硬化接着剤はクラック補修に効果がないわけではありませんでした。しかしながら、筆記時ニブに筆圧がかかり、接着したクラックを開く方向に力が加わりますからUV硬化接着剤の接着力では耐えきれなかったようです。丁度ニブで首軸を抉る格好になっていて、その上梃子が効いていますから相当強力にクラックを埋めて接着できないとインク漏れは防げないことが解りました。

結局、専門店の力に頼ることにしました。筆記具修理専門の工房です。クラック補修で済めばと依頼し、修理完了後筆記するも数日でクラックが再発、インク漏れが発生しました。
クラックの再発は、この万年筆が細身である上、円筒状の樹脂製首軸に厚さがないことに依るようです。クラックを一度補修しても、筆圧に耐えれるまでの接着強度が得られていないということです。

最終的に、新規に首軸を製作してもらい、やっとというか,遂に解決に至りました。自力ではできませんでしたけど。

上写真が新調したエボナイト製首軸です。薄肉樹脂部材の、強度が求められる補修の難しさを再認識した次第です。

0 件のコメント:

コメントを投稿