2016年1月17日日曜日

行詰

独占を堅守するつもりなら相応の矜持が必要です。独占に伴う責任を自覚できないならば、規制緩和を進めて信書送達事業を民間他社に開放すべきではないでしょうか。
――あて所に尋ねあたりません――
だったか、
――配達準備中に調査しましたが、あて所に尋ねあたりません――
毎年、差出した年賀状の内、一葉は差し戻されます。宛先住所不明とのスタンプが押印されて。

いや、不明とされた住所から差出された年賀状を頂戴しているのですが...年間を通じて一〜二通は誤配もあります。

記憶を遡れば、自動車税の滞納者扱いを受けたこともありました。転居の際、郵便局に転居届を出していたのですが、税の納付期限が過ぎたあたりでしょうか、突然県税事務所からの電話が...

――自動車税を滞納しています。一体何時納付するんですか?滞納金が...――
そもそも納付書自体が転送されていませんでしたから、端からの滞納者扱いは不快を催させました。当然、

――納付書が届いていない。事情も鑑みずいきなりの滞納者扱いは失礼じゃないのか?――
となるわけです。県税事務所の言い分は、差出した時点で納税者に届いたとみなしている、とのこと。

――届いていないのは事実だ。いきなり滞納者扱いしたいなら書留か、配達記録便で送ってから言うべきじゃないのか。――
まぁ、謝りませんわね。これが公務員の無謬性なんでしょうか。結局、納付書が新住所に再送されて納税しました。ちなみに、最初の納付書はそれから半年後に転送されてきました。


年々、郵便送達に関わる信頼性が毀損していく一方で、営業活動、特に年賀状の販促活動は熾烈さが増大している、そういった印象を抱いています。

ここ数年、晩秋、初冬あたりから年賀状のセールス活動が開始されている気がします。郵便受けには郵便物と共に、近隣の特定郵便局二局から年賀状の申し込みハガキが投函されます。

その後、郵便配達員から直接年賀状の申し込みハガキを受け取ります。こちらは、本局への申し込みとなります。その後、所用で郵便局に赴けば、至る局で
――年賀状はもう用意されましたか?――
の問いかけがあります。12月も中旬を過ぎて、スーパーの店頭、本局の局前に設けられた特設売り場からの、年の瀬に行き交う人々への販促活動で佳境を迎えます。正に、年賀状を購入しない市民は許すまじ、そういった感すら覗えます。

年賀状って日本郵便の独占事業じゃないのでしょうか?年賀状市場という一つのパイはそのまま日本郵便のものです。以前、横から手を出そうとしたヤマト運輸は、厳しくその手を叩かれ、最近ではメール便からの撤退も余儀なくされています。

いくら販促活動をしようが、年賀状を送る人が必要以上の年賀状を購入するはずはなく、又、送らない人が購入に傾くわけがありません。販売元は日本郵便で共通ですから、本局と地域の特定郵便局で互いに共喰いしているに過ぎないかと...

不毛で非効率以外の何ものでもありません。相当の余剰人員があるんじゃないかと疑ってしまいます。”株式会社になって営業も頑張っています”、ポーズならば動機は理解できます。しかしながら、株式会社化して利益を意識せざるを得ないとしても、方向が誤りです。

漏れ聞く所によると、局内では、”年賀状はまだまだ。年々伸びている。”、といった訓示が管理職からあるようです。???大本営ですか...

虚礼廃止、人口減少、e-mailやSNSといったコミュニケーションツールの多様化といった潮流を鑑みれば、年賀状の発行枚数が増加する根拠が見つかりません。

以下は裏付けるいくつかの現状です。
ノルマ1万枚!年賀はがき販売で郵便局員同士が過酷な潰し合い!売れないと一人で路上販売
年賀ハガキの利用者がどんどん減っているらしいので発行枚数を調べてみた(2015年発行分まで)
同様な非生産的な話はクレジットカードの勧誘キャンペーンで遭遇しています。銀行や航空会社等、比較的”堅い”とされている企業が発行する、年会費が有料のクレジットカードの会員加入を、該企業に勤務する取引先、友人、親類あたりから依頼されたことはないでしょうか。

大抵、初年度会費が無料で、有料となる時期が来る前に連絡をもらって解約する取り決めをしています。一度も使用することなく、解約の電話を入れてカードにハサミを入れるわけです。

未だ釈然としないままです。せいぜいカードの発行枚数の多さを誇示する程度しか思いつきません。勧誘の目的を理解しかねています。発行元で一年後解約率を押さえているのは勿論でしょうが、相当の経費負担ではないでしょうか。

で、この不毛な悪弊はどのように解消されていくのだろうか、関心を寄せているのですが、難しい話なんじゃないかと。おそらく、この会員獲得キャンペーンの関係者全てがこの非生産性を認識しているのではないでしょうか。

つまり、会員獲得へと駆り立てる管理職、キャンペーンの責任者、経営幹部、全てその間で”解約を前提とした加入でも見掛けの数字ができればそれで構わない”といった了解ができている、ということです。表面上、肯定することはないとは思いますが。

脈々と受け継がれ、自身が辿ってきた道は否定できないわけです。自己否定に繋がりかねませんし、この”お約束”は組織防衛の一環と理解できます。こうしたクレジットカード解約の山が死屍累々と築かれ続けることを絶つには、外部からの生産性評価が一策です。しかしながら、以前のエントリにも記しましたが、組織、個人に関わらず、追い詰められた危機的な状況に至らない限り自己変革なかなか難しいかと...

昨年、巷を騒がせた東洋ゴムの性能データ改ざん旭化成建材他の杭打ちデータ改ざん問題東芝の不正会計問題といった組織の不祥事も、同根の話かと、そう思った次第です。

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