2015年7月4日土曜日

相殺

自宅から徒歩二、三分の所です。幹線道路の信号付近で愛知県警守山署が頻繁に取締りを実施しています。

古くからの街道でそれ程速度を出せる道路ではありません。シートベルトの未装着や運転中の携帯電話の使用が取締りの対象のようで、結構な人数の運転者が違反切符を切られている模様です。

その付近一帯には、何とも言えない、やってしまった感が立ち込めています。自宅まで押し寄せてきそうです。一回の取締時間はそれほど長時間ではありませんが、多い時には週に二度ほど実施されています。絶好の漁場なんでしょうか。

で、果たして警察には業務の生産性という概念があるのだろうかと、疑問が生じました。生産性の高い警察業務と、例えば上記取締において、少数、短時間で多くの違反切符を交付することが符合しないのは明白であり、疑問の余地はありません。

それはノルマの遂行だったり、点数稼ぎに過ぎません。シートベルトの未装着は事故が起こってから重大な被害へと繋がり得る違反ですが自己責任の部分もかなりあるでしょう。運転中の携帯電話の使用も重大事故を引き起こさない、とするつもりはありません。

しかしながら、飲酒、或いは酒気帯び運転、速度超過、一時停止違反、信号無視となると話は違います。自損事故に留まらず、重大な対人、対物事故の原因となる恐れは、シートベルト未装着や携帯電話使用の比ではないはずです。

そういった、より危険性の高い違反を、例え件数が少なくとも、取り締まることこそが生産性の高い交通業務ではないかと思うわけです。

ヒト、モノ、時間を使ってシートベルト未装着や携帯電話使用の切符を交付してどうする?他に取り締るべき違反があるんじゃないだろうか、ということです。

信号無視や一時停止違反には始終遭遇しています。2014年時点、愛知県は交通事故死者数12年連続ワースト1位のようですが、その主原因がシートベルト未装着や携帯電話使用にあるとは考えられません。

まぁ、飲酒、或いは酒気帯び運転を検問で取り締るより、シートベルト未装着等で違反切符を交付する方が着実に数字を稼げる、ということかもしれません。大体、飲酒、或いは酒気帯び運転の検問は夜間実施することになります。帰宅が遅くなってしまいますしね。

では、一時停止違反はどうでしょうか。見通しの良くない交差点で車対車の事故のみならず、人身事故も頻発しています。まぁ、速度を落としてはいますから重大事故に至ることは少ないかもしれませんが...

しばしば通りがかる交差点で、一時停止違反の取締を見かけたことがあります。二名の警官が乗車したパトカーが、交差点で一時停止違反を目立たない位置から監視していました。

どの程度の時間監視を続ける のかは存じませんが、一箇所の交差点当たりパトカー一台に警官二名...生産性が低いなぁ、と思った次第です。

かつてに較べ圧倒的低コストで長時間、高精細の画像記録が可能な今日、少人数による同時多点取締ができないものなんでしょうか。

例えば、スーパー、コンビニ、銀行といった不特定多数の人間が出入りする場所では、防犯カメラによる来客の行動記録はもはや当たり前に行われています。賛否があろうことは承知していますが、トラブルによる被害の最小化が目的であり、やむを得ない対応かと受け止めています。

そういった環境を鑑みれば、いわゆる事故多発地点での事故を抑止する方策として、ネットワークカメラによるリモート監視がもう少し活用されてもいいのでは、と思っています。

複数地点を同時に一人で監視可能な上、記録も行われるわけですから、取締りの生産性が著しく向上するんじゃないかと。

では、一時停止違反に起因する事故の効率的な低減に有用とみられる、交差点でのリモート監視がなぜ進まないのでしょうそれはやはり監視者に対する根強い不信感に依拠する部分が大きいためではないかと、憶測しているところです。

タイムリーな話題は、俳優 萩原流行氏のバイク事故でしょうか。真偽は存じませんが...
ようやく非を認める…萩原流行さん死亡事故は全容解明に向かうことができるのか?
こんなおまけつきです。
実際、『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ系)は、1日の会見を番組冒頭から「注目の会見が始まります」「生中継でお届けします」と煽りながら、内容が警察批判であることがわかると、短時間で打ち切り。番組の最後の方で簡単に内容をまとめるだけに終わった。
他には、
富山事件
 志布志事件
 足利事件
 袴田事件
大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件
などが記憶に新しい事件かと。

守山署に限れば、
証拠品投棄容疑で警部補を書類送検
巡査部長が証拠品など自宅に持ち帰る
調書改ざん、破棄容疑
副署長や地域課長が酒気帯び運転で処分
といった事案が検索されるわけです。これじゃぁなぁ...リモート監視以前に上記を何とかしたほうが生産的かもしれません。

先のエントリのコメントで、
改憲はすべきだが、”あんな連中にはしてほしくないなぁ”、というのが素直な印象です。
と記しているのですが、似たものを感じています。

ところで、テレビの番組改編期に各放送局で一度は”警察24時”のような特番が放送されます。警官個々人に焦点を当て職務の崇高さ、正義感、真摯さを伝えようという意図なんでしょう。

当然ですが、直近で不祥事を起こした部署は取り上げられないわけです。で、なんとなくなんですが、警察の不祥事発覚が多ければ多いほど該特番の本数が増えているように感じています。広報の一部として、相殺というか、不祥事以上に特番を流すことで覆う意図でもあるんでしょうか。気のせいかもしれません。

又、冒頭の取締りも署内の不祥事が発覚後、比較的直ぐに実施されているような印象を持っています。市民の批判を封じ込める、或いは、上記番組のケースと同様な意図があるとするならば、強い反発を禁じ得ません。専横です。勘ぐり過ぎとは思いますが...


下の画像は街中を走行中のワンカットです。数台の自転車が車道を逆走しています。小学生でしょう。危ねえなぁ、近寄りたくねえなぁ、と思うわけです。



冒頭の取締り時も、両耳にイヤフォンを装着してたり、スマホを弄りながら歩道を逆走する自転車を目撃しています。歩道の逆走、傘さし走行は年少者、高齢者問わず見かけますが、自転車は注意されることなく取締り現場をスルーして行きました。
ケースバイケースとなる裁量部分も含め、自転車の運転者に誰がルールを教えるのか?どうやって遵守させるのか?
自動車運転中の携帯電話の使用やシートベルト未装着を取り締るより、こっちの方が喫緊の為すべき責務じゃないでしょうか。