2025年10月25日土曜日

仕事

 政府の内閣官房に属する国家サイバー統括室のサイトを見てみると、多くの省庁がサイバーセキュリティに関与していることが分かります。警察庁、金融庁、デジタル庁、総務省、外務省、厚労省、経産省、国交省、防衛省....当に国家を挙げて対策、といった印象です。

該サイトにはストップランサムウェアのリンクもあるわけですが...

未だ解決の見込み、システム復旧の見通しが立たないアサヒグループホールディングス、アスクルへのランサムウェアによるサイバー攻撃について、上記政府機関からのコメントが見つかりません。

法人保護は日本政府の責務ではない?邦人保護は責務ですが...多くの政府機関がサイバーセキュリティについて唱えている現在、民間企業で具体的に生じたサイバー被害について言及がない、というのはやる気、能力、責任、業務範囲、存在意義の中でどの辺の問題なんでしょうか。

国外からの、場合によっては外国政府の関与すら疑われるサイバー攻撃に対し、反撃の権限もなく能力も十分に持ち合わせていない民間企業がどう対処しろと...

国家としてのメッセージを明示し、行動に移さない限り、被害の続出が予想されます。

”日本を取り戻す”、”前に進める”、昨今よく耳にする文言ですが言行は一致しているのか、政府に対する信頼が揺らぎます。

2025年10月5日日曜日

拒否

 連日迷惑電話が着信してうんざりしています。

一つは自動音声でアンケートとか、二時間後に電話が止まる、ケータイの料金が未払といった類。今日の着信は、落とし物の保管期限が本日限り、といった通知。

これらの着信と同数以上に、

”中部電力の電気料金が...”

”不用品買い取ります”

”外壁塗り替えませんか”

”お送りした資料、ご覧頂けましたでしょうか”

といった営業電話が多数。

更に、いわゆるワン切りや、受話器を取ると切れる場合が散発的にいくつか...

 その上、現在、訳あって別世帯の身内の着信も当方に転送させているため、上記迷惑電話の二世帯分が着信してきます。

携帯は携帯で、これまで国際電話で入国管理局と三重県警捜査二課からの着信がありました。0800からの着信もありますが、殆ど応答する前に切れてしまいます。番号を調べてみれば折り返すまでもない電話ばかりです。

取り敢えず、携帯は国際電話を休止しました。偶然でしょうが、0800からの着信もなくなったような...まぁ、これまでの0800からの着信を地道にブロックしてきた結果かもしれませんが。

次は固定電話です。現在、国際電話休止の手続き中です。完了まで2〜3ヶ月程度かかるとのこと。その後0800着信への対応に取り掛かります。

 ここ数年、電話に代表されるコミュニケーションツールを介した詐欺がじわじわとにじり寄ってきている感があります。(詐欺へと誘導される取っ掛かりの頻度が増加+手口の巧妙化)=(詐欺被害を被る確率の増大)を実感します。以前はもう少し距離を感じていて他人事的な印象でしたが、確率の増大により身近に感じられるようになった、ということです。

かつてはハガキでした。公的機関を装って未払い料金とか訴訟といった語で脅しつつハガキに記された番号に架電させて金銭を詐取するという手口です。

その後SMSだったりE-mailで”口座の凍結”、”第三者による不正アクセス”、”犯罪に悪用”といった名目でIDとパスワードを詐取する、いわゆるフィッシング詐欺が昨今の主流でしょうか。

で、電話です。オレオレ詐欺は2000年代初め頃から発生し始め未だに続いているようですが、幸いこれまで着信したことはありません。なりすます身内がいませんから。昨今ですと、自動音声で”二時間後に電話が使えなくなる”と流した後、オペレータ?窓口?へと誘導する手詐欺電話が幾度かありました。プッシュホンの特定番号を押すと誘導されてしまうようですが、自動音声の着信はガチャ切りしていますのでその先はよく分かりません。

こういった詐欺メール、詐欺電話を受信している中で、詐欺がにじり寄ってきているように感じる理由について記します。それは単に頻度だけではありません。

詐欺の危うさを実感させる三点ほどの理由を挙げることができます。

その一つは電話から流れる自動音声です。e-mailやハガキと異なり電話からの音声は流れ去っていきます。録音という操作をしない限り記録に残りませんし、その記録を確認できるのも事後です。送話者が人であれば、聞き取り難かったり、理解が不十分、不審な点があれば聞き返すことができる可能性があるにはあります。ただ、相手が人であったとしてもそれなりに手練手管に長けたかけ子であれば、巧みな話術で、”急かす”、”不安を煽る”、”冷静な判断機会を与えない”、”理解させない”、”公的機関や権威を騙る”と、”相手に寄り添う”を組み合わせた手法で詐欺へと誘導されてしまう恐れは十分にあります。

トレーニングを重ねた本職の詐欺犯から着信した詐言に疑念を抱いて抗うことは容易ではありません。電話の着信は元々不意打ちですから、反射的に防犯の姿勢を取れるか、ということです。これがe-mailやハガキであれば読み返したり多面的に理解する機会があります。詐言に即応してしまう危険性は電話というツールがより高いと考えます。

加えて、人は本質的というか自然には、相手の話を”聞こうとする”、”理解しようとする”、”信用する”という社会性がありますから意図してその特性、機能を無効化する必要があります。

こういった点から、(電話+自動音声)という手段が最も詐欺被害に合う危険性の高いツールではないかと認識しています。

次に詐言の内容について考えます。

先日着信した電話の自動音声は落とし物についてでした。正確には聞き取れなかったのですが、概略、

1.〇〇センターから

2.落とし物がある

3.本日が保管期限

4.詳細?手続き?に進むには電話機のプッシュボタン"3"を押下

だったかと。発信元は聞き取れませんでした。受話器を取った第一声でしたし、聞き取らせないような工夫(速さ、声量、声色、滑舌)があったのかもしれません。初めて聞く詐言でした。そのまま受話器を戻したのは勿論ですが、これが危うさを実感させたもう一つの理由です。

これまで自動音声で耳にした詐言は、

”二時間後に電話が使えなくなる”

というものばかりであり得ない話ですから、特段気にすることなく受話器を置くことができました。ところが、落し物、もう少し拡げて忘れ物となると少し話が違ってきます。勿論、電話の着信時にその心当たりがなければ詐欺電話と判断できるものの、偶々、落し物、忘れ物をしていたとしたら、そこから詐欺へと誘導される危うさは高まります。偶然ではありますが、膨大な多数に落し物云々の自動音声で架電されるとゼロではない確率で該当者に着信してしまうということです。

おそらく、過去に、

落し物、忘れ物をした経験者数>>電話を止められた経験者数

ですから心当たりがなくとも自身の過去の経験に照らして、上記の”プッシュボタン"3"を押下”に誘導されてしまう恐れを否定できません。過去の落とし物、忘れ物の経験が、その語を耳にすることで反射的に電話を切る力を弱めてしまうということです。”プッシュボタン"3"を押下”してしまう被害者数は、”電話が止められる”を聞いて誘導される被害者数より多いのではないかと推測します。

つまり、過去、現在を通じた当人の経験に関わる語を使った詐言は誘導のハードルが低く、多くの人々に経験がある”落とし物”のようなキーワードを詐言に使われると被害が拡大するのでは、と危惧します。

詐言に財布、現金、還付金といった語を使わず、スマホとか免許証の落とし物で、プッシュボタン"3"を押下させてトレーニングを受けたかけ子が金銭を詐取していく...起こり得る話です。

プッシュボタン"3"を押下させる目的であれば、ここ最近なら、

”国勢調査について重要なお知らせがあります”

確定申告の時期であれば、

”確定申告について重要なお知らせがあります”

受験シーズンであれば

”受験証の落とし物がありました”

などの自動音声と心当たりが一致してしまうと...誘導されない自信はありません。

もう一つ、これは以前から危うさを感じていましたが、IDとパスワードを詐取しようとするフィッシングメールです。通常は、GoogleやYahooといったメールサービスによる迷惑メールのフィルタリング機能がかなり効果的ですからそれほど気にしていません。迷惑メールと検出されなくても、

”不正アクセスがありました”

”口座を凍結します”

などの文言で受信したメールに不安を煽られてメール内の偽サイトへの誘導リンクを踏むことはありません。検索して正規のサイトからログインします。これができるのは非定常の操作だからです。

問題は、ルーチン操作を行うために当該メールに紛れ込まされたフィッシングメールです。具体例の一つはクレジットカード会社からの月々の請求額を知らせるメールです。殆どのカード会社は請求額を記した月々の利用明細書の送付を有料化しています。明細は各利用者がカード会社のサイトにログインして確認することになります。

当月の請求額確定を知らせるメールが着信、そのメール中に記されたリンクに飛んでID、パスワードを入力して明細を確認という流れで、これは自分にとってルーチンの操作になっています。この定常操作を上述のように正規のサイトからアクセスすれば良いのですが、これがなかなかできません。つい、何気なく、不用心に、とか反射的にメール中のURLをクリックしてしまうことは自覚しているのですが...ルーチンの操作ですから手間を省きたいという心理もこの操作を促してしまいます。

カード会社からの請求額を知らせるメールだけでなく、銀行口座からの引き落とし、定期購入、定期購読など定期的に着信するメールは多々あります。該メールに記されたリンクからID、パスワードを入力してサイトにログインする、こういったルーチンの操作内に悪意あるメールを紛れ込まされるとそれに疑念を抱くのはなかなか難しい、と感じている処です。

ではどうするか、という話になるわけですが、原則として”話は聞かない”、”パスワードは憶えない”に尽きると考えます。というか他の方法が思いつきません。

自動音声が流れる電話については、その内容に引っ張られることなく、(自動音声)=(不利益な内容)と断じて電話を切るべきです。自動音声に耳を貸すべき必要な、或いは有用な情報などありません。

”パスワードは憶えない”については以前記しました。残念ながらそこに追記できるほど知見を深化できていません。

2025年10月2日木曜日

土竜

 名古屋市の歓楽街で居酒屋の経営者と店長が逮捕されました。容疑は愛知県迷惑行為防止条例違反の疑い(客引き行為)とのこと。

警察への相談件数が増加しているボッタクリ行為への対策の一つとしてでしょうか。ボッタクリを含む料金トラブルに警察が介入することは難しく、勿論、違法性を問うことも困難です。そのため、ボッタクリ被害の対策としては、その入口となる客引き行為の摘発以外に効果的な手段がない、というのが実の処と考えます。それでもモグラ叩きとは思いますが。

で、報道では二人の容疑者名と店名が明らかになっていましたので、ちょっと考えてみました。そんなことをしている時間はないのですが、どうにも気になって...

店名は中区栄の”大衆酒場 八百長 栄住吉店”です。ビルの8Fに在る店のようです。この店をGoogleで検索しますと、クチコミ件数は49件、最高評価19件、最低評価29件という内訳で両極端です。最低評価29件は殆どボッタクリと客引き批判です。そうなると最高評価19件は一体何?となるわけです。余りに評価が極端で、ヤラセとかサクラ投稿との疑念を拭えません。全口コミの50%以上がヤラセ、サクラというのもなかなか...こうなると”クチコミ”という飲食店評価システムへの信頼性は大きく揺らぎ、飲食店選択のツールとして、用を足さない、使えないと断じざるを得ません。

さて、報道では容疑者名も明らかになっていますので、少し検索してみれば、同容疑者が別の飲食店の店長だったり、会社代表として飲食店運営に関わっていることが分かります。今回公表された居酒屋は、まぁ、閉店でしょうが、看板を掛けかえる等次の舞台を用意して使い捨ての求人をガンガン募れば再びボッタクリ営業は可能でしょう。アルバイトの初犯を摘発するより、それを生業とする常習者を如何に生き永らえさせないかを重視した施策が必要かと。